常に全力で仕事に励み、多忙な日々を送る近藤さんですが、ついに限界がきて、入社6年目に休職を余儀なくされます。休んでいる間にわかったことは、ラジオの仕事に対する強い思いでした。


空き時間をつい埋めてしまうタイプ

 私はもともと、予定をぎっしり入れていないと落ち着かない性格です。大学時代はバンドを組んでいて、音楽漬けの日々を過ごしていました。とにかく空き時間を作らないように、少しでも時間があればバンドかアルバイトでスケジュールを埋めていましたね。社会人になってもその傾向は変わらず、気になるイベントやライブがあれば欠かさずに行き、土日にもすき間なく予定を入れていました。

 仕事においては、さらに「完璧にこなさなければ」という思いが加わって毎日必死でした。入社6年目で責任のあるポジションに就いて、いくつも番組を担当させてもらえるようになりました。若くして与えられた仕事だったのですが、周りから「若いから仕事ができない」と思われるのも嫌で。ずいぶん背伸びをしていましたね。かといって他の人に仕事を振ることも苦手だし、誰かにお願いする術も知らなかったので、全部一人でやらなければと背負い込んでいました

「一人で完璧になんてできるわけない」と言ってあげたい

 そんな働き方に限界がきたのだと思います。徐々に眠れない日が増えていきました。「調子がよくない、このままではだめになってしまう」と頭の隅では自覚しながらも、忙しい毎日も、それをさらに忙しくしてしまう自分の性格も変えることができずにいました。ある日、臨界点を越えてしまったのを覚えています。その日から会社に行けなくなり、4カ月ほど休職することになりました。

 今思えば、会社が課してきたハードルよりもさらに高いハードルを、自分自身が課していたのかもしれません。その頃の私に、「一人で全て完璧になんてできるわけないから、抱え込まないで」と言いたいですね。