世の中のさまざまな課題の解決に貢献したい。日立コンサルティングの河野麻衣子さんは、そんな思いからコンサルタントという職業に就きました。しかし、冷静な分析よりも共感を大切にする自身の仕事のやり方に自信が持てず、一度は会社を辞めることも考えたといいます。「自分はこの仕事に向いていないかもしれない」。そんな葛藤をどのように乗り越えたのでしょうか。

「社会の課題をビジネスで解決する」というビジョンに引かれた

 コンサルタントというと、冷静で論理的に物事を分析する人を思い浮かべるでしょうか。確かにそういうタイプのコンサルタントもいますが、私は全然違います。私が大切にしているのは、「理論」よりも「共感」。現場の話をよく聞いて、そこで頑張っている人の力になりたい性分です。自分の感情が無視できず、たとえ上司から依頼された案件だとしても、心から納得できないとモチベーションが上がらない。サラリーマンとしては、本当にイケていません(笑)。

 そんな自分に一時は自信を失ったこともありました。でも、今は自分みたいなタイプのコンサルタントがいてもいいと思える。転機になったのは、4カ月間休職して「ふるさとプロデューサー」の研修生を体験したことでした。

日立コンサルティング 河野麻衣子さん
日立コンサルティング 河野麻衣子さん

 コンサルタントを志望したのは、ビジネスの基本が短期で学べて、早く成長できると聞いていたからです。語学も学び、国内外を問わず世界で仕事をしたいと思っていたので、初めは外資系コンサルティング会社に就職しました。

 入ってみて分かったのですが、世界中に拠点がある故に、日本オフィスでは日本の仕事が中心。公共部門を担当する部署でシステム関係のプロジェクト管理に携わりましたが、ITは自分の目指す方向性とは違うように感じました。というのも、私には海外志向と同時に、国や地域にかかわらず、課題のあるところに自ら出かけていって貢献したい、という思いがあったんです。なので、「社会の課題をビジネスで解決する」という日立コンサルティングのビジョンに引かれて転職しました。