ミス防止のコツは「しつこい」ほどのコミュニケーション

 作業をする3人の組み合わせは毎日変わります。心がけているのは、よく顔を合わせる人、初めましての人に関わりなく、コミュニケーションをしつこいくらいにとること。失礼だとは思いながらも、ずっと年上の大先輩にも「あの作業やりました?」「完了していますか?」という確認の声かけは必ずします。自分自身も含め、人間はミスする生き物だと思って作業するようにしているからです。事細かに確認しながら一つずつクリアにしていくことで、ミスを防げる場面は多々あると思います。

 後輩には、まずは自分の性格をよく理解するようにと言っています。たとえば慌てやすい性格の子は、何かの拍子にすべてが吹っ飛んでしまって、さっきまでできたことができなくなったりするんです。逆に、すごくおっとりしている子は時間はかかるものの、着々と進めているので事故につながるような心配はないんですね。

 経験を積むことで身につく部分もありますが、前者のような人の場合には、訓練の中であえて慌てるシチュエーションをつくり、バタバタした状況でポンッとやるべき作業に入らせます。「あなたは慌てやすい性格だから、まずは深呼吸をするんだよ」と言って、状況に慣れさせるんです。

余裕があればダブルチェックを、自分一人では間に合わないと判断したらすぐさまクルーに声かけをするそう
余裕があればダブルチェックを、自分一人では間に合わないと判断したらすぐさまクルーに声かけをするそう

どんなに焦っても優先順位を間違えないこと

 私たちは常にタイムプレッシャーを受けながら仕事をしていますが、優先順位の一位は「時間」ではなく「安全」です。何かを省いて絶対に安全とは言えない状態で時間に間に合わせても、何の意味もありません。その優先順位は決して間違えないようにと、後輩にも伝えています。

 体調管理も重要です。風邪などで急に仕事を休むと、クルーの組み合わせを変えなくてはいけないし、その際にはスキル要件もかかわってくるので大変です。

 とはいえあまり健康管理は意識していませんね。最後に風邪をひいたのはいつだったか……。風邪でも風邪だと思わないのがいいのかもしれません。何をしたらストレス発散になるのかすごく考えた時期もあって、夏はサーフィンやバーベキュー、冬はスノーボードと、季節ごとの遊びをいろいろやりました。癒しを求めていたのかキャンドル教室にも通ってみたことも(笑)。今も、ちょっともやもやするとふらっと旅行に出かけて気分転換しています。