女性管理職増加に取り組む現場から戸惑いの声

 女性管理職の増加が対策として進んでいるケースが多いようですが、現場で働く女性たちからは不安や戸惑いの声も……。

「女性管理職割合の目標ができました。今まで素晴らしい取り組みをしても認められにくい環境だったのが、大したことでなくても取り上げられるようになったりと変化がありすぎで……。昇格も一時的なブームで、頑張れと上司に言われることが踊らされているだけではないかと不安になります」(39歳、営業)

「ここ数年女性上司が続きましたが、これまで“この人と一緒に仕事ができてよかった”と思った上司も、ストレスで体調を崩された上司も女性でした。そこから分かったことは、性別じゃない、能力です。数字ありきで能力のない女性が管理職になると、効率や生産性が下がります」(31歳、契約職員)

 採用方法に疑問の声も……。

「やたら女性の昇格が多かったが、理事など本当に上の経営的な立場には女性は皆無」(36歳、総務)

「女性管理職が増えてきているが、中途採用ばかりなので、一般女性社員の励みにはなっていない」(37歳、一般事務)

女性優遇は逆差別? 能力主義であるべき

 アンケートでは、「女性の地位向上につながる」と期待する声もありましたが、大半が女性活躍を配慮しすぎた昇進人事を懸念する声でした。

「女性活用の動きは好ましいことだが、男女平等な評価ではなく女性を優遇する制度のようで少し疑問を感じる点もある」(30歳、契約社員)

「女性だからという理由で昇進させるのは意味がない。できる人は男女関係なく昇進しているので逆差別になるし、昇進したがっている女性ばかりではないと思います」(39歳、一般事務)

「変に女性に偏る雰囲気が生まれないといいなと思う。男性に対して不平等になるのはイヤ」(31歳、一般事務)

「女性というだけで能力が不十分なのに、下駄をはかせて昇格させようとする雰囲気には疑問を感じます」(29歳、企画)

キーワードはダイバーシティ。その先に求めることとは?

 最近注目の「ダイバーシティ」というキーワード。様々な人材を積極活用していこうとする考え方のことで、今回のアンケートでも「本社にダイバーシティ推進をする部署ができた」「やたらダイバーシティのミーティングが開かれる」などと度々登場していたこの言葉。一方で、その中身に疑問を感じている人もいるようです。

「以前からダイバーシティの名のもとに躍起になっている感はあるが、当事者の女性陣は冷ややかに見ている。女性活用の裏では男性陣がもっと家庭の事に参画することが必須で、現在の取り組みは懐疑的です」(33歳、営業)