2018年4月26日、総合コンサルティング企業であるアクセンチュアから「男女ともに活躍する企業への変革(Getting to Equal 2018)」と題した調査レポートが発表されました。今回はその中から働く女性の現状と、「男女のキャリア平等」「賃金格差の縮小」を実現するポイントをご紹介します。

男女の賃金格差は最大約365万円にも上る

 男女雇用機会均等法の施行から32年過ぎ、政府は女性の活躍を含む「一億総活躍社会」を推進しています。ただ、一方で世界経済フォーラムが2017年に発表した「ジェンダー・ギャップ指数(男女格差を測る指数)」によると日本は144カ国中114位(2016年は144カ国中111位)と極めて低い順位にあり、「男女平等」とは言い難い現状にあります。

 OECDの調査によると、フルタイム従業員の男女間賃金格差はOECD調査の平均に比べて11ポイントの差があり、日本の男女間の賃金格差は先進諸国と比べても顕著に表れていました。

フルタイム従業員の男女間賃金格差
フルタイム従業員の男女間賃金格差
日本の男女間賃金格差は、先進諸国と比べても顕著 グラフ提供/アクセンチュア 出典/OECD Employment Outlook 2016(OECD)男女の賃金中央値の差

 また、日本の正規・非正規の男女間賃金格差は、最大約365万円(!)にもなることが分かっています。50代で格差が広がっています。

男女給与所得者の賃金
男女給与所得者の賃金
日本の正規・非正規の男女間賃金格差は最大約365万円 グラフ提供/アクセンチュア 出典/国税庁 1年勤続者の年齢階層別給与所得者数・給与総額・平均給与 平成28年度データ

 この結果について、アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 製造・流通マネジング・ディレクターの田村京子さんは次のように考察します。

 「日本では、本来なら賃金が上がる30代~40代に結婚・育児で退職してしまう人がいることが一因だと考えられます。結婚・育児によって女性の就業率が減る『M字カーブ』は年々改善されていますが、欧米諸国に比べ、依然として劣っているのが現状です。やはり女性の活躍を進め、賃金を上げていくべきだと思います」(田村さん)