「女性活躍推進法」がこの春から始まります。今後私たちの活躍の場が増えるとともに、私たちに求められるものが変化していきそうです。前回の記事に続き、『思い通りの人生に変わる女子のための仕事術』の著書があり、ダイバーシティ推進と女性活躍のサポートを進めているWoomax代表取締役の竹之内幸子さんに話を伺いました。

竹之内幸子(たけのうち ゆきこ)
株式会社Woomax(ウーマックス)代表取締役

大学卒業後、石油会社に入社。中小企業でアカウンティング業務を経験後、営業支援コンサルタントとして全国300社のクライアントの課題解決に携わる。研修会社で人材育成コナルタントを務め、2012年に独立。働く女性の力を最大限に活かすスキルとマインドをサポート。官公庁、企業での「女性リーダー研修」「復職者研修」「管理職研修」等の講座を多く受け持つ。ダイバーシティを推進すべく、女性活躍におけるサポートをすすめている。著書は、『思い通りの人生に変わる女子のための仕事術』(ダイヤモンド社)『なぜ女性部下から突然辞表を出されるのか』(幻冬舎)など。
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――今後、職場にさまざまなバックグラウンドを持った人が集まることが予想されます。多様性のある職場で働くときに、気を付けるべきことはありますか。

竹之内さん(以下、敬称略) 多様性のある組織では、自分の価値観とは違うものと直面することが増えるでしょう。その際、自分の価値観だけで「正しい、間違っている」と判断すると、相手を否定してしまい、仕事がうまく進みません。「相手にとっての正解はこういうことなんだな」と、一度理解するように努めたいですね。

 相手がなぜそう思うのか、そもそもここでの目的は何かということに立ち戻って、目的を達成するためにどの価値観に基づいたらいいかという客観性を持つことが重要です。

会社の外に目を向けて“無色透明のフレーム”を外す

――さまざまな価値観を知るには、異業種交流の機会も生きてくるかもしれないですね。

竹之内 そうですね。忙しいと自分の会社や仕事のことばかりに目が向きがちですが、それでは知らず知らずのうちに、自分の物差しや自分の会社、職種の基準だけで考えるクセがついてしまいます。

 そのクセは“無色透明のフレーム”で、自分では気付きにくいものです。ところが一歩外に出て、違う業種や職種の女性と話をすると、全く違う視点で仕事をしていることに驚くことでしょう。違う価値観を持っている人とコミュニケーションをすることで、自分の“無色透明のフレーム”に気付くことができるのです。

 ぜひ、会社の外にも目を向けて、さまざまな人とコミュニケーションをとっていってほしいですね。女性は、初対面の人と交流することがとても上手ですから。

――女性は、結婚や出産など、さまざまなライフイベントがあり、仕事との両立に悩むことが多いです。ライフイベントは個々の事情が異なるので、誰かに相談するのが難しいという声をよく聞きます。

竹之内 そうですよね。私自身も振り返ってみると、子どもを産んだ直後は、子育てと両立させるために、9時~17時の時間が決まった仕事をしたいなと思いました。その中で、自分の力を最大限発揮しつつ、スキルアップにつながる職種はないだろうかとじっくり考え、「経理」を選択しました。

 中小企業の経理だったので、会社がどのように回っていくのかも学ぶことができ、その後の起業につながり、現在の会社経営につながっています。「決められた枠組みの中で何ができるか」ということを常に考えることで、自分自身で主体的に人生を選び取っていけるのではないでしょうか。

 人生はものすごく長いです。同じように、キャリアも長い。妊娠してから子どもが小さいうちは、人生のごく一部の数年間です。自分の力を最大限発揮できるよう、人生をロングスパンで考えていきたいですね。