1999年に漫才コンビ「キングコング」を結成し、お笑いタレントとして活動してきた西野亮廣さんがなにかと話題だ。斬新な手法で絵本を制作し、国内外で個展を開催。学校運営や町づくりなど、ジャンルを超えたチャレンジを革新的なアプローチで次々に、しかも同時進行で進めている。

 2016年に発売された絵本「えんとつ町のプペル」(幻冬舎) は絵本では異例となる発行部数27万部を突破し、「ネットで全ページ無料公開」など新し過ぎる手法に賛否が巻き起こった。最新著「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」(主婦と生活社)にもつづられた彼の仕事観、人生観、恋愛観までを、とことん語ってもらった。

なぜ僕は炎上覚悟で好きなように発言しているのか

 ご存知かもしれませんが、僕、よく炎上するんです(笑)。ハイ、僕を嫌っている人が結構いることも知っています。僕が何かネットで発表するたびに黒焦げになるので、「炎上するの分かっていて、なんでまたやるの?」と心配してくれる人もいます。

 なぜ僕が炎上覚悟で好きなように発言しているのか。説明します。

 まず、僕が完全にやめると決めたのが「誰からも好かれる」ということを前提とした収入モデルです。

 テレビに出るタレントが何で稼いでいるかというのを突き詰めると、テレビ番組を提供しているスポンサーから頂く広告料です。そうすると目指すべきは「好感度を高めること」になります。

 企業さんに迷惑が掛からないように、視聴者から不快に思われないように、細心の注意を払いながら発言していきます。グルメ番組に出演して試食すれば、食べてマズイと思ったとしても「おいしいですね~」と言わなければいけない。それで皆に嫌われなければ成立する職業でした。10年前までは。