チャレンジするときは無理のない金額で

 3つ目は、つみたてNISAの対象になるのは投資信託の中でもさらに絞られていること。投資信託と一口に言っても、その数は約5000本あります。その中から自分で投資先を選ぶとなると「どれがよいか分からない!」と感じてしまうかもしれません。そこでつみたてNISAでは、投資家保護の観点から法令で定められた以下の基準を満たす投資信託145本(2018年4月現在)のみが対象になっています※2

・販売手数料が0円(ノーロードといいます)
・信託報酬※3が低い
・分配金の支払いがひんぱんではない
・信託期間(投資信託の設定から償還までの期間)が20年以上、または無期限である
など。

 もちろん、これらの投資信託にも値動きなどのリスクはありますが、比較的コストを抑えて、長期間にわたる投資に向いていると期待できます。自分でゼロから選ぶよりは、だいぶ選びやすいのではないでしょうか。

※2.出典:金融庁「つみたてNISA対象商品の内訳(2018年7月3日時点)
※3.投資信託の保有期間中に差し引かれる運用管理費用。投資信託の純資産総額から差し引かれるので、別途の手数料支払いをするわけではありません。


 投資というとなんだか身構えてしまう人も、税の優遇があり、初心者向けに整備された制度なら気軽に感じられるのでは? 少額から始められるので、無理のない金額でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※本稿は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資の実行を推奨するものではありません。投資を行う際には、投資対象商品のリスク等について十分にご理解の上、ご自身の判断と責任において行ってください。


文/加藤梨里 イラスト/とげとげ。