団体保険 5つの注意点

 もし団体保険を検討するなら、一般的な生命保険との相違点にも留意しておきましょう。主に、以下があります。

1)内容はシンプルなものが多い

 保障の内容や対象がシンプルであることが多く、比較的分かりやすい反面、さまざまなニーズに合わせ充実した特約を求める場合には物足りなさを感じる人もいるかもしれません。設定できる保険金額も、一般向けに比べると限られることがあります。

2)募集期間が決まっていることがある

 団体保険の契約手続きは、基本的にはお勤め先が加入を希望する従業員を募り、保険会社に対してまとめて行います。このため、年度の初めや入社時などに案内パンフレットが配られ、所定の募集期間に申し込むケースが多いです。募集期間外に申し込める場合もありますが、詳細は勤務先に確認するとよいでしょう。

3)在職中のみ契約できることが多い

 原則として、団体保険はその企業の従業員を対象にしています。このため、退職すると解約しなければならないことがほとんどです(一部、継続できる場合もあります)。退職した後の備えをどうするか、この先のキャリアプランも踏まえながら検討すると安心です。

4)商品によってはあまり割安でないこともある

 団体保険は保険料設定などの仕組みが一般向けと異なります。生命保険は基本的に年齢が高いほど保険料も高くなりますが、団体保険のなかには保険料の設定が平均化されているものもあります。単純な比較はできませんが、若い人にはあまり割安ではないことがあります。

 また、保険(契約)期間が1年など短期間に限定されているものが多いです。契約当初の負担感を抑える上では有効ですが、長期間にわたって継続すると、支払う保険料総額が高くなることもあります。

5)自分で判断が必要

 保険会社や保険代理店では、営業担当者や窓口で相談しながら検討できますが、団体保険はパンフレットを自分で読んで判断するのが基本です。お勤め先によっては電話などの相談窓口や説明会などが設定されることもありますが、詳細なプランニングに対応してもらうのは難しいかもしれません。

 社会人として安心して働き続ける上では、リスクに備えることも大切です。保険というと難しいイメージを抱く人もいるかもしれませんが、検討するならぜひ自分に合ったものを効率的に選びたいもの。とりあえずやみくもに契約するのではなく、公的な保障制度や勤務先の団体保険も含めて、総合的に検討できるとよいですね。

文/加藤梨里 イラスト/とげとげ。