正社員と非正規の違い

 厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査(※1)によると、大卒女性の初任給は平均20万円。手取りにするとおよそ17万円弱になります。時給1200円で8時間、週5で働くと、アルバイトでもほぼ同じ水準の収入になります。それなら、正社員を辞め、例えばアルバイトで働いても、さほど生活に影響はないと思うかもしれません。正社員と非正規でどんな違いがあるかをまとめてみましょう。

 まず、正社員にはボーナスがあるケースが多いのに対して、非正規ではほとんど支給されません。毎月のお給料ではさほど変わらなくても、ボーナスを含めると、正社員と非正規では年収に差が出てくることがあります。

 次に、雇用期間にも違いがあります。正社員には雇用期間の定めがなく、定年までは原則として働き続けることができます。これを「無期労働契約」といいます。これに対して一般的に非正規の多くは「有期労働契約」といって、雇用期間が決まっています。労働基準法では、同じ勤務先での有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新されたときには、雇われる側が申し入れることで無期労働契約に転換することとされています(平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は通算期間に含めません)。ただし、必ずしも5年を超えて契約更新されるとは限りません。

 新卒で入社すると、正社員の場合には研修期間が設けられるのが一般的です。すぐに即戦力として働くことが多い非正規に比べると、物足りなく感じることもあるかもしれませんが、それだけお勤め先が従業員のスキルアップに投資をしていることでもあります。社会人としてのマナーや業務に関わる基本的な知識を、業務時間中に学ぶ機会は、非正規では得にくいでしょう。

※1 出典:厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査