旅行をしたい気持ちはあるけれど、長い休みは取れないし、どこに行くか決められない。気付けば家でゴロゴロ……。そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。作家、ブロガーとして活躍するはあちゅうさんが提案するのは、スマホをフル活用し、1泊2日で「憧れ」をかなえる「サク旅」です。サク旅の魅力と、実行するためのコツを聞きました。

スマホをフル活用する「サク旅」の魅力とは?
スマホをフル活用する「サク旅」の魅力とは?

あえて観光をメインにしない旅

――近著「1泊2日で憧れを叶える! サク旅~国内編~」の中で、1泊2日での「サク旅」を提案されています。ずばり、サク旅の魅力とは?

 「自分の人生に充実感を感じられるところ」「行き当たりばったりを楽しめるところ」の二つです。旅は計画的にというイメージがありますが、思い切って行ってみると、どうにかなることがたくさんあります。あえて観光をメインにせず、自分が好きなことを旅先でやると心が満たされて、人生に充実感を感じられるんです。

 この本で提案しているのが、その土地をテイスティングする気持ちで旅をするということ。一生に一度しかその土地に行かないとしたら、全部やらなきゃと思ってしまいますが、好きな場所を探しに行く感覚なら、行き当たりばったりを楽しめます。

「1泊2日で憧れを叶える! サク旅~国内編~」では、はあちゅうさん流の「サク旅」のコツと全国各地のコースを紹介
「1泊2日で憧れを叶える! サク旅~国内編~」では、はあちゅうさん流の「サク旅」のコツと全国各地のコースを紹介

普段から行きたい「ビジュアル」を探しておく

――サク旅のルールを教えてください。

 本の中で三つ掲げています。一つ目は「期間は1泊2日」ということ。忙しい社会人でもまねできるようにしました。1日目の昼と夜は現地で食事をして、2日目に昼食を食べたら、夕方から夜には帰宅。翌日の支度をして、気持ちよく眠りについて、旅なんかしてこなかったかのように翌朝は会社に出勤します。

著書の中で「サク旅のルール」三つを掲げています
著書の中で「サク旅のルール」三つを掲げています

――二つ目は「一つの旅で一つ憧れをかなえる」ですね。

 旅の目的を一つに絞るというのがポイントです。例えば札幌に行って、「ラーメンもパフェも食べて動物園にも行きたい」というように目的がたくさんあると、観光地スタンプラリーみたいになってしまいます。そうではなく、「おいしいミルクを使ったソフトクリームを食べたい」という「憧れ」だけを決めて、それがかなったら達成と思うことにするんです。

 「この風景に溶け込みたい」と、ビビッときたビジュアルを普段から収集しておいて、それを体験しに行くのがいいと思います。私はPinterestやInstagramに投稿された写真を見て、「行きたい」と思ったものを保存しています。ビジュアルで行きたい場所を集めておけば、それを中心に旅を組み立てられるので、計画を立てるときに迷いません。

「ビジュアルでビビッときた場所は、実際訪れた際にビビッときたときと同じようなイメージで撮影します」
「ビジュアルでビビッときた場所は、実際訪れた際にビビッときたときと同じようなイメージで撮影します」

――三つめは「スマホをフル活用する」です。

 今はスマホがあるからその場で何でも検索できるんですよね。先日ロンドンに行った時には、ホテルに着いてから行きたい場所をGoogle Mapsで検索しました。夜ご飯の場所だけゴールとして決めておいて、あとの予定はTwitterやLINEでフォロワーや友人におすすめを聞いて、その場で旅を組み立てていったんです。スマホによって、自分の気分に合わせた行動をしやすくなりました。