転職するとき、ないよりはあった方がいいのが「スキル」です。スキルといってもいろんなスキルがありますが、例えば事務職志望なら、エクセル、ワード、パワーポイントの基本的操作ができなければ厳しいでしょう。今回は、新卒で入社した会社が「なぜかパソコンを使わない超アナログな職場だった」というアラサー女性が、スキルゼロから転職を重ね、事務、営業、企画、人事、広報…と様々な仕事スキルと自信を身につけていった、ステップアップ転職ストーリーをお送りします(後編)。
超就職氷河期で決まった会社は、非効率な事務作業をする超アナログ職場。「このままではいけない」と転職を決意し、エージェントの勧めもあって事務職以外の仕事にチャレンジしてみた里香さん(29歳)。新しい職場は、大手IT企業でした。
■前回までのストーリー「スキル貧乏がスキル女王へ 性格も変えた29歳転職の全容」
アナログ職場からIT企業に転職してみたら…
「パソコンは使わず、事務作業はすべて手書きだったというアナログすぎる職場」から一転、大手IT企業の新規サービスの営業部に契約社員として採用された里香さん。里香さんは、この部署で営業アシスタントとして働き始めたことで「性格が変わった」といいます。
「自ら考えて行動することを重んじる社風の会社だったので、契約社員であっても、アシスタントであっても、持ち回りで朝礼の司会を行ったり、月に1度、全員の前で1人1人成果報告を行ったりと、人前で発言する機会がたくさんありました。前の会社では、言われたことだけをやっていたので、人前で発言することに最初はものすごく抵抗がありましたが、慣れていくうち、ハキハキ話せるようになり、積極的になりましたね」。
最初は、かなり無理をして苦しかったそうですが、自分の意見が採用されることもあり、次第にやりがいを感じるようになっていったそうです。また、既存クライアントに対するサポート業務を任されていたため、事務だけでなく営業の仕事も自信をもってできるようになっていきました。
弱点だったパソコンスキルも、資料作成などを依頼され、同期の社員に教わりながらこなしていくうち、あっという間に克服。「前の会社にいたときは、パソコン講座に通ったこともあったのですが、全然身につきませんでした。やはり仕事で必要なスキルは、仕事をしながら覚えるのが一番ですよね」
転職し、仕事を任されるうち、人見知りで人前が苦手、内気な性格だった里香さんは、自分の意見をしっかりと持ち、堂々と発言する明るく外交的なタイプに変身していました。
何より「昔は早く結婚して仕事を辞めたい、とばかり思っていたのですが、今はずっと仕事をしていたいと思うようになりました」と話します。
そこで、里香さんはあることに気づくのです。