「意識高い系」の裏に隠れている不安

 もう一つのタイプが、「私は常に成長できる環境に身を置いて、キャリアアップをしていきたいんです」という、積極的な「意識高い系」です。このタイプの中にも不安を抱えている人がいると福島さんは指摘します。

 「私が書籍執筆のためにインタビューした方の中には、転職するしないに関係なく、定期的に転職エージェントに会いに行っている、職務経歴書を頻繁に更新して常に転職の準備をしている、という人がいました。

 自分の市場価値や社会からどう見られているかを確認したい、というのがその理由なのですが、ベースには『この会社にいつまでいるか分からないから、自分の人材としての価値を知って安心したい』という気持ちがあります。

 一度転職をすると、自分が所属している会社での自分の評価が、必ずしも他の会社での評価と同等ではないということが分かります。例えば、今の会社での評価はAでも、より条件のいい別の会社に行ったら評価はBとなってしまうことがある。そうなると、この会社でやってきた仕事や身に付けたスキルは間違ってなかったか、このまま今の会社にいて大丈夫なのかと、転職市場での評価や今の会社での過ごし方さえも不安になってきてしまうのです」

 中には、より早く、よりスペックの高いキャリア形成を、と焦るあまり、転職を繰り返すようになってしまう人もいるようです。

子どもが生まれたらフリーランスが理想

 「意識高い系」の中には、キャリアアップ、収入アップを目指すタイプの人だけではなく、「やりたいこと」を仕事にして自己実現をしたい、というタイプの人もいます。

 「これは調査ではなく、僕の周囲にいるアラサー世代の女性の傾向として体感することですが、『やりたいこと』を仕事にして、いつかは子育てと両立できるフリーランスになりたい、というゆとり世代女性が増えてきているように思います。