悩ましい自己PR欄、どうする?

 転職サイトへの登録は、自分の情報を入力していくだけなのですが、意外に悩んでしまうのが、職歴や自己PRを記入する欄です。

 「簡単にご記入ください」と書いてあっても、どこまでどのように書いたらいいのか悩んでしまい、「結局、登録をあきらめた…」などという話を聞きます。本来、応募書類に記入する職務経歴は、応募する求人に合わせた形で記入した方が良いのですが、サイトに登録するためだけの記入であれば、まずは「登録する」ことを優先に、やってきた仕事を淡々と記入し、あたりさわりない自己PRをいれておくだけでもいいかと思います。

3. 転職エージェントに登録する

 多くの求人を見つつ、自分が何を軸にどのような転職がしたいのか、ある程度方向性が定まってきたら、転職エージェントに登録してみましょう。たくさん、転職エージェントがありますが、それぞれに特長があります。

 大きく分けると、

(1)大手エージェント
業種職種を問わず求人案件数が多いが、大手エージェント同士の求人案件の内容はほぼ同じ。紹介される案件も多いが、その分登録者も多いので競合が多い。担当者によってサービスの質に差がある場合も。
(2)中小エージェント
求人案件数は大手に多少劣っているが、登録者は少ない。中小エージェントであっても、大手企業の案件もあり、担当者によっては企業との独自のパイプを持っていたり、非常に親身になって相談に乗ってもらえる場合も。
(3)専門エージェント
女性、事務職、ベンチャー、エンジニア、外資系など、特定の業界や職種の求人を多く扱い、実績も高い。業界や職種が決まっている人にはおすすめ 。

 に分かれます。

 よく「どこの転職エージェントに登録するのが良いでしょうか」と聞かれるのですが、それぞれに強み、弱みがあるので、私は性格の違った複数の転職エージェントに登録し、その中から自分に合いそうなエージェントを選んで利用することをおすすめしています。前回このコラムで紹介した志穂さん(仮名)の転職実例では、3社のエージェントをうまく活用していました。(「30歳目前 念願の年収アップをかなえた転職術」

自分に合うエージェントを見つけたら心強い!(C)PIXTA
自分に合うエージェントを見つけたら心強い!(C)PIXTA

 また、担当者との相性もありますので、どうもうまくいかないという場合は、さりげなく担当者の変更をお願いしてみましょう。エージェントを上手に活用するコツは、要望をきちんと伝えることです。そもそも自分の進むべき道が分からない、自分の強み弱みが分からない、といった場合は、エージェントに属していないキャリアカウンセラーにキャリアビジョンを描くところからカウンセリングを受けてみるのもいいでしょう。(「この三角形を描けば、キャリアビジョンが見えてくる」

エージェントを介してうまくいかない場合も

 転職エージェントに登録すると、転職の相談から企業の求人紹介、面接のセッティング、給与交渉など転職のサポート全般を無料で受けることができるので、利用するメリットは大きいのですが、エージェントを利用しない方がうまくいくケースもあります。

 例えば、転職の回数が多く就労期間が短い、未経験の職種を希望している、など転職が難しそうなケースでは、エージェントが紹介できる求人は限られてしまいます。しかしながら、エージェント経由では難しかった人が、通常の転職サイトからの応募や企業への直接応募で採用されたケースもしばしばあるので、あきらめる必要はありません。転職エージェントを利用するとしても、それだけに頼ることなく、自分なりにいくつか選択肢を持っておくといいと思います。

 次回は、応募から、書類選考後の面接、そして最後の関門・内定を受けた後の円満退職までのステップについて解説します。

文/井上佐保子 写真/PIXTA

藤井佐和子

キャリエーラ代表。キャリアアドバイザー。
カメラメーカー、人材エージェントのコンサルタントを経て、2002年に独立、現在は、女性を対象とした、延べ13000人以上の対面キャリアカウンセリング実施、また、ダイバーシティやキャリアをテーマに企業研修、講演を行う。著書に「あなたには、ずっといてほしいと会社で言われるために、いますぐはじめる45のこと」(ディスカバー・トゥエンティワン)など多数。
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