3年目からヒット商品をデザイン

 仕事内容は自社製品のパッケージデザインや外部デザイナーとのやり取り。種類も多く、また次々と新商品や限定商品などが発売されるため、仕事は忙しかったが、「商品パッケージを一からデザインするというよりは、元のデザインに少しずつ修正を入れていくような細かな仕事が多かったです」。それでも、全国の小売店で扱われている商品のパッケージデザインに関われるということで、やりがいは大きかったという。

 印象に残っているのは、入社3年目に手掛けた新商品のパッケージデザインの仕事だ。

 「今までにないような画期的な商品だったので、先輩にサポートしてもらいながら、商品の魅力を感じてもらえるよう工夫してデザインをしました。すると、その商品が大ヒットしたんです。雑誌の取材が来たりもしました。自分が一からデザインした仕事が評価され、とてもうれしかったです」。また、パッケージデザインを担当した商品がロングセラーになるなど、結果を出せるようにもなり、やりがいを感じていた。

 一方で、いくつか気になっていたこともあった。

 一つは先輩デザイナーたちと仕事のスタンスが違うこと。デザイナー室には勤続年数の長い年配のデザイナーも多く、既存のデザインの小修整をするような地味な仕事も多いためか、「ヒット商品を作ろう」といった気概のない人が多かったという。

やりがいはあったが、次第にモヤモヤを感じ始めることに… (C) PIXTA
やりがいはあったが、次第にモヤモヤを感じ始めることに… (C) PIXTA

 中には仕事を振られないように忙しいフリをする人もいて、他の部署の人からは「デザイナーのみなさんは残業もなくていいですね」などと嫌みを言われることも。しかし、その原因はもっと別の根深いところにあった。