「面接では手応えを感じたのに……」「このまま転職先が決まらなかったらどうしよう」―――。企業からの不採用が続くと、どんどん自信を失い、弱気になってしまいがちです。また、不採用が怖くて一歩踏み出せないという人もいるかもしれません。

 どこでつまずいたのだろう。それとも戦略が間違っている? もんもんとするうちに、戦う気力を失いそうになることもありますよね。しかし、「不採用の理由を追求することは、意味がないことも多いのです」とキャリアカウンセラーの錦戸かおりさんは言います。

不採用追求ループから直ちに脱出せよ (C)PIXTA
不採用追求ループから直ちに脱出せよ (C)PIXTA

単にマッチングしなかっただけ

 「企業の採用は資格試験などとは違い、数値による『合格点』がありません。それぞれの職場やポジションによって、不採用になる事情や基準は全く違う。例えば、同じ会社でも、『Aの部署なら合格だけれど、今回は別の部署だから不採用』ということはよくありますし、上司やメンバーとの相性も重視される。

 つまり、単純に『マッチングしなかっただけ』というケースも多いのです。

 不採用の理由を問い合わせても問題ありませんが、教えてもらえない場合が多い上、仮に答えてくれても、それが本当の理由かどうかは分からない。思い当たる点があれば反省して修正すべきですが、合わない職場に転職して後々しんどくなりうまく活躍できない可能性を考えると、すっきり忘れて次に進んだほうが賢明です」

 そもそも不採用が続くときに、考えられる可能性は何か。錦戸さんは、以下の点をもう一度振り返ってみるべきだと指摘します。

 「まずは、応募した仕事への理解が足りているか。例えば同じ営業アシスタントの仕事であっても、会社によって内容が違うことが多々あります。とはいえ、求人票には詳しく書いていないケースもありますよね。そのような場合は具体的にどのような業務かを聞いてみましょう。「分からないことはきちんと確認できる人」という評価も得られますよ。

 自己理解が不足しているケースでは、やりたいことや望む働き方をもう一度突き詰め直してミスマッチを防ぎましょう。また、面接での自己アピールが上手にできない人は、伝え方や表現力といったスキルを上げることで手応えを感じることができるはずです。ハローワークなどでは、面接練習の講座もあります。積極的に活用してみてはどうでしょう。

 そしてもう一つは、今の職場、あるいは前職で傷付くような体験をしているケース。転職活動の中でも、自信のなさが出てしまっているかもしれません。そんな場合は、キャリアカウンセラーに相談してみましょう。不安を受け止めて、一緒に対策を考えてもらえますよ」

 さらに、「目を引く履歴書」の作り方として、錦戸さんがレクチャーするのが、「一人働き方改革」の提案です。いったいどんなことをすればいいの?