前回の記事「『悩める』はスキル 転職で解決できるか見極める方法」では、転職を結果的にしなくても「転職活動をすること自体には意味がある」とアドバイスをくれたキャリアカウンセラーの錦戸かおりさん。

 転職活動を始める上で、最も大事なことは、「『本当の自分』を知ること」だと、錦戸さんは言います。

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分かっているようで意外と分かっていないのが、「今の自分」  (C) PIXTA
分かっているようで意外と分かっていないのが、「今の自分」  (C) PIXTA

本当の自分を意外と分かっていない

 「『やりたいことが分からない』という人はもちろんですが、自分で決めた人生を歩んでいるつもりでも、世間体や他人からの評価、親の意見など、さまざまなものに影響され、『本当の自分』が覆い隠されているケースは少なくありません。

 それを無視したままキャリアチェンジをすると、せっかく転職を果たしても 『なんだかしっくりこない……』と違和感を抱いたり、場合によっては、転職を繰り返すことにもなりかねない。ミスマッチを防ぐためにも、今の自分をできるだけ知ることは欠かせないプロセスなのです」

 自分の心と向き合い、「本当に望むもの」を知ることが、納得感のある人生を切り開くカギになると、錦戸さんは言葉に力を込めます。

 どうすればそれを見つけることができるのか。効果的なのが、自分の中の「BE」と「DO」を掘り下げていく方法です。

効果的なのは「BE」と「DO」を考えること

 「BE=自分がどうありたいか、何を大切にしたいかという心の状態、DO=何をしたいかという行動を指します。

 いわゆる『自分軸』と呼ばれるものですね。自分の軸が明確になることで、気持ちにブレがなくなり、どこに向かえばいいかが見えてきます。重視すべきは、『BE』です。『こんなふうでありたい』という気持ちがエネルギーになり、DO=行動につながっていく。つまり、『BE』は『DO』を支える根底になるものなんです」

 とはいえ、すんなりとは出てこないかもしれません。「やりたいこと」「できること」は思い浮かぶけれど、「どうありたいか」についてじっくり考えたことがないという人も多いはず。