周囲の反対を押し切って入社

 面接の印象で、B社に入社を決めた綾さんでしたが、周囲からは反対されたそうです。

 「初めての東京1人暮らしなのに、Web関係の営業は未経験ということで、年収が100万円近く下がってしまったからです。私も少し不安ではありましたが、顧客の課題解決を第一に考えるといった理念にも共感していましたし、なにより東京で働きたかったので、反対を押し切って上京しました」

 しかし、入った後は、厳しい現実に向き合うことになります。「もう入社して、すぐに辞めたくなりました」。営業職として入社したものの、商品であるWebやシステムに関する知識も経験もなく、売り方がわからなかったからです。

 「ベンチャーだったこともあり、社内で決まったやり方があるわけでもなく、マニュアルもなかったので、全てが手探りだったのです」。

 手探りのまま、営業活動を続けていましたが、当たってくだけるばかりで、1年目は売り上げはほぼゼロ。つらい日々だったといいます。それでも、このまま地元に帰るわけにはいかないと、奮闘するうち、転機が訪れます。

 「先輩にお願いして、新規案件を最初から最後まで担当させていただいたんです。すると、仕事の流れ、全体像をつかむことができました」。

悔しくて、とにかく必死だった (C)PIXTA
悔しくて、とにかく必死だった (C)PIXTA

 その後は少しずつ仕事が取れるようになり、2年目からは、新規で大型案件も取れるようになってきました。その後は、支店の立ち上げにも関わるようになるなど、少しずつ仕事の幅が広がっていきました。転職直後は減ってしまった年収も1年後には前職の収入より100万円も上がったそうです。