いざというときに頼れるのは、正しい知識

 お金を貯めるには、できるだけ収入を増やす一方で、支出は極力抑えること。当たり前のようですが、結局のところここに行き着きます。

 そのためには、収入がどれくらいで(給与明細をみてくださいね)自分が何にお金を使っているのか、把握しなければなりません。「いつのまにか貯金が減っている……なぜ今月は赤字なんだろう……?」といった経験はありませんか? これではお金を貯めようにも、何から節約すれば良いのか分かりませんよね。

 このような状態を解決する一番有効な手段は「家計簿をつける」こと。

 特に、クレジットカードやデビットカードで決済すると、明細が残りますので支出を把握しやすいでしょう。最近では、カード会社のウェブサイトで、利用日、利用店舗、金額などの利用状況を確認できるところが多いようです。家計簿アプリの「マネーフォワード」では、クレジットカードの引き落とし口座を登録すると、自動で家計簿が作成され、とても便利です。是非チャレンジしてみてくださいね。  

 そして、国や自治体の制度で利用できるものは利用しましょう。役所からのお知らせの中には一方的なものもありますが、給付金や助成金といったお金をもらえることも数多くあります。病気や事故、失業、災害など困難にあった場合に給付されるお金や、結婚や出産、育児、教育、住宅購入など人生の節目で支給されるお金があります。

詳しくは、
・連載第5回「転職の前に知っておこう! ライフプランとお金のはなし
・連載第6回「失業は他人事ではない ライフプランとお金のはなし
・連載第8回「突然襲う病気や事故 知っておきたい制度とお金のはなし
を参照してくださいね。

 これらの「もらえるお金」を利用すれば、生活費の節約にもつながります。こういうときにはこの制度がある、と頭の片隅に置いてもらえれば、いざというときに思い出してもらえるはず。是非とも上手に活用して下さいね。

 この連載を通じて、みなさんのお金の悩みを少しでも解決できていれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

文/井戸美枝 イラスト/いいあい