夢のマイホームを手に入れるか、一生賃貸暮らしか。その判断基準は人それぞれで、答えを出すのは難しいもの。今回は、持ち家と賃貸の違いについて学びましょう。

 みなさんこんにちは、経済エッセイストの井戸美枝です。お金にまつわる“知っておきたい、ちょっといい話”、第9回は「家を買うか? 賃貸か? 住宅事情とお金」についてお話しましょう。

 人生で一番大きな買い物というと、みなさんは何を連想しますか? 多くの方が「家」や「マンション」を思い浮かべるのではないでしょうか。

 「家を買うか、賃貸で暮らすか。」という議論は、昔からなされてきました。これはなかなか難しい問題です。その時々の状況によって、住む家に対する価値観は変わるからです。

 たとえば、この先インフレになるか、デフレになるのかでも状況は違ってきます。インフレになれば「お金の価値」が下がりますので、その上昇率に応じて実質的な家のローンの支払い額は軽くなっていきます。今はインフレが起こっているとはいえません(IMFの推計によると消費者物価指数は2016年4月現在、前年度比-0.19%)。また、日本の人口は減少しているため、土地や家が余り、不動産の価値が下がることもありえます。

 幸せや満足感は、人それぞれ違うもの。家を買うにしても、賃貸で暮らすにしても、どちらも良い面がありますので、私はどちらを選んでも良いのでは? と思います。家を買いたい人は買えば良いのです。満足感や喜びはお金では買えません。自分にとって最適な選択をしたいものです。

 今回は「家を買う場合」と「賃貸で暮らす場合」で、それぞれどれだけお金がかかるのか。そして、どんなメリットとデメリットがあるのか。くわしくみてみましょう。

 それでは、住宅購入にまつわるお金のキホンチェック! クイズに答えてみてくださいね。

問題1
家を買ったときに、かからない税金はどれでしょう?

 1.固定資産税
 2.不動産取得税
 3.贈与税

問題2
2016年5月現在、住宅ローンの変動金利は年何%くらいでしょうか?

 1.5%
 2.3%
 3.1%

問題3
3000万円の住宅を1.5%の固定金利のローンを組み購入しました。30年をかけて返済する場合、総返済額はいくらになるでしょうか?(元利均等返済の場合)

 1.3352万円
 2.3772万円
 3.4052万円