夕方放送の「news every.」に出演中の日本テレビ解説委員兼キャスターの小西美穂さんは、関西弁を交えて語る柔らかな人当たりと、ツボを押さえた信頼感のあるコメント力で、初対面でも信頼関係をつくってしまうコミュニケーションの名手だ。

 小西さんは学生時代に、日本に上陸したばかりで無名のスポーツだったラクロスを関西の大学に普及するため、たった一人の活動から体当たりで粘り強い運動を続け、見事にそのカルチャーを根付かせた。その功績から「ラクロス界のレジェンド」と呼ばれている。当時やってきたことはすべて今の仕事に生きていると振り返る小西さんに、ゼロからプロジェクトを生み出しチームをつくっていく極意を聞いた。

「私の原点はラクロスです」

――現在は競技人口が男女合わせて1万7000人を超えるそうですが、ブレークスルーとなった転機はなんだったのでしょうか?

 私がラクロスに出合って4カ月後の9月に、世界女子ラクロス協会から7人のコーチ団が来日したことです。日本への普及が目的で、本格的な指導者を送り込んだんですね。関西にはカナダ人とイギリス人のコーチが二人、来てくれました。

 本場の指導を受けられるチャンスはめったにないと、3大学合わせて25人の選手全員が合宿に参加して、基礎からテクニックを教わりました。それまで試合すらしたことがありませんでしたが、合宿最終日には紅白戦で締めくくり。コーチから「グッジョブ!」と褒めてもらえた瞬間、全員がグラウンドに立ったままボロボロと泣いていました。

 それまで「ラクロスやって、本当に楽しいの?」と半信半疑だったメンバーも、ほとんど練習に参加したことがなかったメンバーも一緒になって、全員の胸に「ラクロスの灯」がともった瞬間でした。

メンバー全員に「ラクロスの灯」がともった日。前列一番右が小西さん (小西さん提供)

 この後、順調にメンバーも増えて、大学対抗のリーグ戦を開催できるほどの規模へと発展していったんです。