パンツスタイルにタイツはNG ストッキングは?

 ところで、川上さんが見ていて、春先の足元ファッションで、気になることってありますか?

川上さん「前回の記事でお伝えしたタイツの色もそうですが、パンツスタイルにタイツを合わせるのもNGです。重たく見えてしまいます。大人の働く女性なら、足首に『抜け感』が欲しいところです」

 足首に抜け感…というと、やはり、パンツスタイルのときには素足が定番でしょうか。

川上さん「ここ数年、若い女性を中心に『生足よりストッキング』の傾向が強くなっているようです。きちんと感が求められる働く女性なら、パンツスタイルのときはストッキングをはくのがいいと思います」

 確かに、ヌードカラーのストッキングなら抜け感も出せますね。でも…、おしゃれなファッション誌では「パンツに素足」のスタイリングがほとんどじゃないですか? 春先は肌寒い日もあって、正直、素足はつらいです。

川上さん「そうですよね。私がよく撮影時にやっていることですが、寒いときは、ボトムの重ね着で乗り切っています。具体的にいうと、ボトムの下に、膝上のガードルなどを1枚はいているんです。腰周りを温めているだけで、かなり暖かい。ガードルといっても締めつけのないものもたくさんありますし、保温性の高い素材でできた安価なものもあります。ミモレ丈のスカートの下にもはけます。

 確かにファッション誌では、「パンツに生足」というスタイルをよく見かけるとは思いますが、実際素足で靴をはき続けると、蒸れやにおいが気になりますよね。足が汗をかくことで、中敷に指の形がくっきりとついたりしませんか? それで、小上がりなど、靴を脱ぐときに恥ずかしい思いをしてしまう…。いい靴をはいていてもイメージダウンです。

 パンプスをはくときは、ストッキングかフットカバーの着用をオススメします。靴に汗の成分を残さないようにすることで長持ちさせることもできますし、これから暖かくなると出番が多くなると思うので、自分の足や靴の形に合ったストッキングやフットカバーをぜひ探してみてくださいね」

この人に聞きました
川上さやか
川上さやか(かわかみ・さやか)
スタイリスト。銀行で6年半勤務した後、27歳からスタイリスト・佐藤佳菜子さんに師事し、2013年に独立。現在は「Oggi」などのファッション雑誌やウェブサイトなどで活躍中。ベーシックを基本に、働く女性の日常に適したシンプルで上品なスタイリングに定評がある。

■第1回「意外と間違えている春のタイツ選び おしゃれの正解は?
■第2回「まるで素足な5本指 スタイリスト注目最新ストッキング」(今回はここ)

文/樋口可奈子 写真/小野さやか