ダラダラ会議、世間話のようなメールなど、振り返ってみれば必要のない作業は多いもの。今までもこうしたムダを省くコツをお伝えしてきましたが、今回、クローズアップしたのは資料の作成です。パワーポイントで懸命に作っているその資料、本当に必要? もしかしたら、手書きで十分かもしれないですよ。

(登場人物)

やる子(30歳)すずまり姉さん(40代)
左:やる子(30歳)/仕事に対しては真面目で、やる気も十分なのに、なぜかいつも空回り……。ミスやムダが多く、残業しているのは自分だけという状況もしばしば。

右:すずまり姉さん(40代)/効率よくスマートに仕事をこなす。過去に数多の過ちをやらかした経験からミス、ムダ、残業を忌み嫌う。厳しさと愛をもって全力で後輩を指導中。

資料作成で残業続き。この努力が、実はムダかもしれないなんて!

 退社時刻をとっくに過ぎた、ある日の日経YARUKIオフィス。人影もまばらな中、やる子は必死にキーボードをたたいています。

やる子 「は~、相変わらず月末は残業ばっかり……。すずまり姉さんの教えのおかげで、今までよりはだいぶマシにはなったけど、まだまだ修行が足りないなぁ」

 そうぼやきながら、再びパワーポイントの画面に目を落としたところで、何やら口ずさむ声が聞こえてきました。

やる子 「ん? 今、何か聞こえたような……。んんん?」

 けげんな表情で周囲を見回すやる子の前に現れたのは、我らがすずまり姉さん! なぜか歌い踊りながら、やる子の元へとやって来ます。

すずまり姉さん 「UFO! デレレレッテッテ、デレレレッテッテ♪」

やる子 「ちょっ、すずまり姉さん。何でピンク・レディーの『UFO』で登場を……。もしかして、酔ってるとか?」

すずまり姉さん 「あら、やる子ったら失礼ね。まあ、お客さんと会食だったから、ちょっとだけ酔ってはいるんだけど。そんなことより、ハイ、これ差し入れ」

 そう言ってカップ焼きそばを差し出す、すずまり姉さん。

やる子 「あぁ、だからピンク・レディーの『UFO』か……。うれしいです! 資料作りが全然、終わらなくて、晩ごはんは諦めようかと思っていたから。ありがとうございます」

すずまり姉さん 「それはさておき、こんな時間まで何の資料を作っているのよ。(のぞき込んで)……あ~、やる子、これはダメですわ」

やる子 「えっ、何で? こんなに頑張ってるのに……。何がいけないんですか、すずまり姉さん!」

「めちゃくちゃ頑張って作ったパワポなんですけどー」 (C) PIXTA
「めちゃくちゃ頑張って作ったパワポなんですけどー」 (C) PIXTA