小さなミスで、積み上げてきた信頼を一気に失うことも!

 責任感や緊張感の欠如は、ミスを引き起こす一因。これを繰り返したり、大きな被害にまで及ぶミスだったりすると、「あの人はダメだ」というレッテルを貼られてしまいます。信頼はコツコツと努力して貯金するもの。これがケアレスミスによって一気に失われるなんて、怖いですよね。

忘れ物一つで仕事を干されてしまった……

 私自身、ちょっとした不注意から仕事を失った先輩講師の姿を目の当たりにしたことがあります。

 その一例が、USBメモリーの忘れ物。その人はセミナーを行う際、先方のパソコンを借りてPowerPointを上映しながら講義を行う予定でしたが、USBメモリーを忘れたために、何も上映せずに進行することとなったのです。当然、パソコンやプロジェクターを用意した先方の役員はお怒り。手配した研修会社に「あの講師はもう寄越すな」とのクレームが入り、先輩講師の仕事は減ってしまったのでした。

請求書の額面を間違えば、会社に与える被害は甚大!

 もう一つ例を挙げるなら、お金に関わるミスでしょうか。

 例えば、ケアレスミスで取引先に払うべき金額を一桁間違えたとします。本来なら20万円のところ、200万円を振り込んでしまった……! そうなると謝罪の上、回収が必要となりますが、もし回収できなかったら損失は180万円。回収できたとしても信頼は失われるので、最悪、取引停止となる可能性もあります。

 このように、ちょっとしたミスが取り返しの付かない大事につながるケースは、決して少なくありません。だからこそ、普段から「リスク予想図」を意識していただきたいのです。