「ここで気付かなければ、危うくミスにつながるところだった!」なんて経験は、多少なりとも誰もが覚えのあるもの。これを「またやっちゃった」で済ますか、「次はもっと気を付けよう」と思うかで、今後の成長は変わってきます。こうした「ヒヤリ・ハット」の経験を活かす方法とは? 今週も、すずまり姉さんがやる子にレクチャーします。

(登場人物)

やる子(30歳)すずまり姉さん(40代)
左:やる子(30歳)/仕事に対しては真面目で、やる気も十分なのに、なぜかいつも空回り……。ミスやムダが多く、残業しているのは自分だけという状況もしばしば。

右:すずまり姉さん(40代)/効率よくスマートに仕事をこなす。過去に数多の過ちをやらかした経験からミス、ムダ、残業を忌み嫌う。厳しさと愛をもって全力で後輩を指導中。

あと一歩で大ごとに! そんな「ヒヤリ・ハット」経験はありますか?

 月末の慌ただしさから解放され、のんびりとした空気が流れる日経YARUKI社のオフィス。いつもはバタバタしがちなやる子も、今日は余裕を見せながら仕事をこなしています。

やる子 「今日は緩くて、イイ感じだな~。でもそのせいで気が抜けて、午前中はミスしかかったけど……」

 モニターを見つめながら、やる子が独り言をつぶやいたその瞬間、カツカツカツ! の靴音とともに、すずまり姉さんがやって来ました。

すずまり姉さん 「ハ~イ、やる子。今日も暑いわね~。夏でごわす、ココナッツでござんすよ!」

やる子 「す、すずまり姉さん、夏とナッツをかけているんですね……。いつにも増してテンション高いけど、そんなに夏が好きなんですか?」

すずまり姉さん 「な~に言ってんの。私が喜んでいるのは、あ~たにまた成長の兆しが見・え・た・か・ら!」

やる子 「やっぱテンション高い……。でも私、何かしましたっけ?」

すずまり姉さん 「午前中、危うく取引先に別の会社宛ての見積もりをメールするところだったらしいじゃない。隣のデスクにいたシバケンさんに聞いたわよ。ちなみに、あ~たは独り言のつもりでも、声が大きいからたいていのことは筒抜けよ」

やる子 「えっ、そんなに声が大きいの、私……。それはさておき、なんであれが成長の兆しなんですか? てっきり注意されると思ってたのに」

すずまり姉さん 「もちろん、そのまま何もしなきゃ、成長なんてしないけどね。その『ヒヤリ・ハット』をどう活かせばいいか、今からきっちり説明しましょ」

やばい! そういえば…さっきの数字間違っているかも! (C) PIXTA
やばい! そういえば…さっきの数字間違っているかも! (C) PIXTA