先輩や上司の立場になっても役立つ「自分用マニュアル」

 新入社員として保険会社で事務をしていた頃、私は覚えが悪く、ミスを繰り返しては落ち込む日々でした。この状況を打破したのは、「教わったことをちゃんとノートに書こう」と気付いてから。以降1年間で4冊の「自分用マニュアル」ができ、見返すようにすることでミスも減らせるようになったのです。

 新入社員を例にしましたが、どれだけ経験を重ねても初めて携わる業務はなくなりません。そんなときも、「自分用マニュアル」があれば助かるはず。誰が見ても分かるように書いておくと、仕事の引き継ぎの際にも活用できるので、皆さんもぜひ作ってください。

「自分用マニュアル」を作るポイント

◆一通りの業務手順を書く
◆PCの操作方法やお手本となる文章は印刷して貼る
◆注意点やミスも書いておくこと
◆見返しやすいようにインデックスを作成する

やる子 「そっか、関数入力の方法は印刷して貼っておけばいいんですね。こりゃ便利だわ」

すずまり姉さん 「同じことを何度も検索するのは、時間のムダだからね。私に言わせりゃ、わけわかめな行動だわさ。……そうだ、やる子と遊んでいる場合じゃない、隣のデスクのシバケンさんに用があったんだ。彼、あ~たと一緒に出掛けたんじゃなかったっけ?」

やる子 「あ~、シバケンさんならカフェテリアにいるはず。さっき、あまりの暑さに熱中症になりそうだからって、水をがぶ飲みしながらムセてましたよ。まるで散歩帰りの柴犬のようでした……。大丈夫かな」

すずまり姉さん 「ああもう、すてき! 光景が目に浮かぶようね。そんな彼に熱中症だわ」

やる子 「出た! すずまり姉さんのオジサマ好き。とりあえず、ほどほどにしてくださいね……」

 「自分用マニュアル」の作り方を覚え、さらにムダを省けるようになったやる子。このマニュアルと共に、きっと彼女も進化していくことでしょう。いまだに戻ってこないシバケンさんが気になるところですが、次回も乞うご期待!

文/石川由紀子 イラスト/小迎裕美子 写真/PIXTA