いらない仕事をやめて、自分のバリューを高める

 仕事をするに当たり、時間対効果と並んで大切なのが費用対効果。これは、会社から見た自分の価値を指します。

自分のバリューを知り、高めよう

 会社が社員を一人雇うと、給料だけでなく税金、各種保険料、福利厚生費など、さまざまなコストがかかるもの。さらに、一人前に育つまでには時間や労力もかかります。

 それらを踏まえた上で考えたいのが、自分にはどのようなバリューがあるのかということ。会社にどう貢献しているか、もたらす利益は数字にしていくらなのかを、ぜひ客観的に評価してください。事務仕事がメインだと売上は分かりにくいかもしれませんが、自分のバリューを知っておくことは大切です。

会社にとって価値の高い「人財」を目指す

 例えば、会社があなたに年間500万円のコストをかけている場合、あなたのバリューが500万円ならイーブン。さらに上がって600万円なら、100万円の利益をもたらす人となり、会社にとってはありがたい存在です。いわば「人材」ではなく「人財」。大切な戦力を失わないよう、給料を上げたり資格取得を応援したりと、さらに投資してくれるかもしれません。

 私がまだOLだった頃、外資系企業へ転職した同僚がいましたが、彼女は面接で「あなたにはどのくらいの価値がありますか?」と聞かれたのだとか。そこで「300万円です」と年収を答えたところ、「価値があるんですね」と言われ、結果として入社できたそうです。

「私は価値がある人材です!」と言えるように (C) PIXTA
「私は価値がある人材です!」と言えるように (C) PIXTA

「人財」になるためにすべきこと

 このように、自分のバリューを知ろうという視点を持てば、おのずとやるべきことがハッキリするはず。にもかかわらず、優先順位を無視し、ムダな仕事に時間をかけて残業ばかりでは、費用対効果の低い人と評価されてしまいます。

 会社にしてみれば、同じ仕事をするなら、より安い賃金の人に替えたいのが本音。不要な人材と見なされないためにも、これまでの仕事を見直した上で、いらない仕事はやめる、効率が悪ければやり方を変えるといった勇気が必要なのです。

仕事のやり過ぎを解消するポイント

◆完璧主義より、80%主義でいけ!
◆仕事の優先順位を決めること
◆指示されたら「何を」「どのレベルまで」「いつまでに」を確認
◆Not To Doリストを作ろう
◆自分のバリューを高め、「人財」を目指そう

やる子 「私の作っていた資料って、ムダな仕事のたまものだったんですね。シバケンさんを驚かせようとしたアニメーションも、今見ると、なんだかむなしくなってきます」

すずまり姉さん 「私はさっき見たとき、既にむなしかったけどね……。ま、残業しなくていいってことなんだから、よしとしなされ。これからもワカランチと思うことがあったら、どんどん聞いてちょうだいな」

やる子 「またサマランチのギャグを……。姉さん、それ気に入ってますね」

すずまり姉さん 「だって、シバケンさんが『すずまりさんは、アカデミックなギャグが上手だね』って、ウケてくれたんだもの」

やる子 「アカデミックって……どこがですか!」

 そうこう言いながらも、すずまり姉さんのアドバイスにより、やる子の資料作成はつつがなく完了。シバケンさんに感謝され、やる子は定時退社でき、会社は残業代不要と、誰もがハッピーな1日となったのでした。さて、次回にやる子がやらかすミスとは? そしてすずまり姉さんのアドバイスは? 乞うご期待!

文/石川由紀子 イラスト/小迎裕美子 写真/PIXTA