後輩もできて、部署での立場は中堅どころ。にもかかわらず、仕事に時間がかかり過ぎる、なかなかミスが減らせない……。そんな悩める働き女子へ、ビジネスインストラクターの鈴木真理子さんがアドバイス! 30歳、やる気はあるが「ムラ・ムダ・ヌケ」だらけのやる子に、経験豊富なすずまり姉さんが愛を込めて指南するコラム。今回は、うっかりメールが多いやる子に、すずまり姉さんが叱咤(たまに激励)します!

(登場人物)

やる子(30歳)
 突然の人事異動により、すずまり姉さんの部署に籍を置くことになった働き女子。仕事に対しては真面目で、やる気も十分なのに、なぜかいつも空回り……。ミスやムダが多く、残業しているのは自分だけという状況もしばしば。

すずまり姉さん(40代)
 効率よくスマートに仕事をこなす、やる子憧れの先輩。過去に数多の過ちをやらかした経験から、ミス、ムダ、残業を忌み嫌っている。やる子をはじめとする後輩たちには、厳しさとあふれる愛をもって全力で指導中。

気付いたときには後の祭り! うっかりメールにご用心

 週末を楽しく過ごし、爽やかな気分で迎えた月曜日の朝。いつものように元気良く出勤したやる子は、朝の挨拶を交わしながらデスクへと向かいます。

やる子 「おはようございます! 今週も頑張りましょ……」

 そんなやる子の声をかき消すように聞こえてきたのは、カツカツカツ! というヒールの音。

やる子 「ヒッ、この音は……すずまり姉さん!」

すずまり姉さん 「そう、私よ。やる子、おはよう」

やる子 「ね、姉さん、今日は私、まだミスしてませんよっ」

 条件反射でつい身構えてしまうやる子に、すずまり姉さんは静かな口調で答えます。

すずまり姉さん 「ええ、今日はね……。あ~たがミスをしたのは金曜日だからね」

やる子 「えっ! 私、何をやらかしたんでしょう……?」

すずまり姉さん 「私が不在にしていた金曜日、ウーマン社の河合さんに見積書を添付したメールを送ったわよね、私をCCに入れて。そのメールがミスだらけなのよ。まず、河合さんの表記が三本川の『川合さん』になっていたけれど?」

やる子 「!」

すずまり姉さん 「相手の名前を間違えるなんて、無礼千万! あと、添付ファイルのパスワードを知らせるメールが、いまだに届いていないみたいだけれど?」

やる子 「わわわ、すみません! 今すぐ送って、河合さんには謝罪します。でもどうしてだろ、ちゃんと確認したつもりだったのに」

すずまり姉さん 「制作部の仕事に慣れてきたせいか、どうも最近、ヌケが多いわね……。そのうっかりメールの原因と解決法、ちょっと探ってみましょうか」