新人講師の私に仕事を回してもらえた理由

 これは、私自身の経験からも言えることです。独立し、講師の仕事が増え始めた頃、クライアントに「なぜベテラン講師ではなく、新人の私に仕事を回してくれるのか」と聞いたことがありました。この時の先方の答えは「預かった書類をファイルするから安心」「遅刻せずに締め切りを守る」といったもの。当時は「プレゼンがうまい、とか、企画力があるからではないのか」とガッカリしました。でも、今思えば、当たり前のことをしたから、そしてできるように努力したからこそ、仕事が得られたということなんでしょう。

 「自分はミスが多い」「上司やお客様に注意されてばかり」なんて感じている人もいるかもしれませんが、思い込みはNG。スタートラインはみんな一緒なので、当たり前のことをきちんとこなして自身の強みにしていきましょう。

ルーティンワークに留まらず、ナレッジワークを増やしていこう

 当たり前のことができるようになったら、2つ目、仕事の幅を広げていきましょう。AIに任されるであろうルーティンワークだけでなく、知識により付加価値を生み出す仕事=ナレッジワークを少しずつ増やしていくのです。

AIではなく人に託したくなる業務とは?

 創造性がある、または協調性が必要な業務、非定型な業務などは、将来的にも人が担うもの。これらをナレッジワークとして考えると、企画提案や業務改善の他、後輩指導や人材育成といった業務が当てはまります。また、問題解決やコンサルティング、あるいは気配りやサービスが必要な業務などもそうでしょう。「言われたことだけやる」「私の業務はここまで」と思っているならすぐに考えを改め、スキルを磨いてできることを増やしていきましょう。

世代別に、仕事に取り組む姿勢とやり方は違う

 仕事に就いてすぐの20代、中堅どころの30代、ベテランの域に達した40代以上。さまざまな年齢の方がいらっしゃると思いますが、世代によってできることや持つべき心構えは変わってきます。実践できればあなたの評価は上がり、やりたい仕事を手にすることにもつながるはず。最後にお贈りしたい言葉としてまとめたので、心に留めていただけるとうれしいです。

世代によって、仕事への姿勢、やり方は違います (C)PIXTA
世代によって、仕事への姿勢、やり方は違います (C)PIXTA