言い方と進め方で「気が利く」か「お節介」かが決まる!

 気が利く人は周囲から重用されるもの。でも、言外に「私って優秀でしょ? 褒めて!」というアピールが感じられると、いくらサポートしても相手に「大きなお世話」と思われることもあります。例えば、「これ、間違ってます!」「それ、もう私がやっておきましたから!」なんて言い方は、反感を買ってしまいがち。それも周囲に聞こえる大きさの声でとなれば、相手のメンツは丸潰れです。

見習いたい! 本当に気が利く人のフォロー術

 本当に気が利くのはどんな人? そう聞かれて私がまず思い出すのは、OL時代に隣のデスクにいた4期下の後輩女性です。例えば私が残業をしているとき、「何してるんですか? やりたいので半分ください」なんてさりげなく聞いてきたりします。理由を尋ねると、「鈴木さんと一緒に帰りたいから」なんて、これまたかわいらしいことを言う。

 またある時は、私が手いっぱいで会議室の予約ができていなかったときに「予約まだですか? それならやっときますよ~」なんて、サッと手配してくれたことも。そしてイレギュラーな業務が発生すると、必ず先輩の私に進め方の許可を求めてくれました。優秀なのに、独断で先走らない。これもまた、彼女のフォロー術の一つでしょう。

角を立てずに相手を立てることが好印象につながる

 そうやって、こちらがしてほしいことを察し、伺いを立てた上で動いてくれる彼女にどれほど助けられたことか。小声で聞いてくれるとこちらも気持ちがほぐれるので、ムッとしたり、意固地になってミスを認めなかったりといったことはありません。

 もし、大きな声でキツく言われたなら、自分の仕事のデキなさを公表されたようで、素直に感謝できないことでしょう。彼女のフォロー術は、デキない上司や先輩に対してもベストな方法。効率化のためにチーム内でフォローし合うのは当然ですが、それを相手を気持ちよくさせながらできるのが、本当に気が利く人だと思います。

最高のフォローができる後輩や部下への評価は自然と上がるはず (C) PIXTA
最高のフォローができる後輩や部下への評価は自然と上がるはず (C) PIXTA

上司の覚えてくれていたら引き上げてもらえることも

 恩を受けたら、返したくなるのが人情。実力も十分だったので、彼女がやりたいと言っていた案件が来たら私もよく推薦していました。上司や先輩に認められ、関係が良好になると、こういったチャンスも舞い込むようになります。

 とはいえ、ただコバンザメになれというワケではなく、言うべきことはきちんと言うことも大切。後輩女性もそうで、私はよく「鈴木さんも手伝ってくださいね」なんて言われていました。「先輩に仕事を振るなんて」と憤る人もいますが、彼女はきちんと言ってくれるから実に爽快。私も「ハイ、喜んで!」なんて答えて、よく一緒に作業していましたね。