「談笑のうちに」余裕を持って会議を進めよう

 企業や官公庁などの会議に参加して思うのは、参加する女性の言動が二極化しているということ。談笑しながら会議を進める女性がいる一方で、相手を論破しようとケンカ腰の女性もいます。前者の場合、笑顔で心が開かれてリラックスするので、やる気が出て、最大限報いようと思うもの。実際のところ、談笑しながら会議を進める女性は、得てして仕事ができる人たちばかりです。

 経営の神様として有名な松下幸之助さんの著書「道をひらく」(PHP研究所)の「談笑のうちに」というページに、こんな一説があります。

 「(略)……最小限必要な議論に止め、それも談笑のうちにスムーズに運んでゆきたいものである。それでこそ議論がほんとうに世の中の繁栄に役立つことになるであろう」

 会議は勝ち負けを決める場ではなく、参加者全員が知恵を出し合って目標に到達するための場。この生産性を高めるために、「談笑のうちに」会議を進められる余裕を持ちたいですね。

会議を効率よく進める、ロジカル発言するポイント

◆建設的な話し合いには「受容する」「迎合しない」「反対意見はYES BUT法」「便乗するときはYES AND法」が大切
◆論理的に、視野を広く持って発言する
◆批判を恐れず、声を出すことが大切
◆「談笑のうちに」会議を進める、余裕ある女性になろう!

やる子 「な~るほど。『談笑のうちに』ってすてきですね。私も妖艶な笑みを浮かべて、営業部長に対抗しよっかな」

すずまり姉さん 「いやいや、笑い方の話じゃないからね。私の話、ちゃんと理解してくれたのかしら……。てか、やる子が妖艶に笑っているところとか、全く想像できないわ」

やる子 「うう、反論できない……」

すずまり姉さん 「ま、とりあえず、会議の後半戦では、言ったことを実践してみてちょんまげ。それにしても、とっとと切り上げたいわね、この会議。長引きそうだったら『いとまきのうた』を小声で歌いつつ、糸巻き巻きのジェスチャーをするから、スパッと話をまとめてね」

やる子 「合点承知です! コツはしっかり把握したので、後半戦ではガッツリ発言しますよ。ザクザクきり込んでいきます!」

すずまり姉さん 「いや、だから『談笑』だっつーに。余裕を持って意見をまとめたり、冷静に発言できたら、あ~たも会議の時間をムダにしなくて済むはずよ」

 すずまり姉さんの声が聞こえているのかいないのか、メラメラとやる気だけが膨らんでいくやる子でした。どうか後半戦で、すずまり姉さんの糸巻き巻きが出ませんように……。そう祈りつつ、来週も乞うご期待!

文/石川由紀子 キャラクターイラスト/小迎裕美子 写真/PIXTA