仕事の効率化を図るには、「標準時間」の把握が不可欠!
作業を細分化するのがコツ! 「標準時間」の出し方
「標準時間」を把握するなら、まず必要なのが作業の洗い出し。例えばプレゼン準備なら、「資料作成」「資料印刷」「会場セッティング」といった形で作業を細分化します。それができたら、各々の作業にどのくらい時間がかかったかを実際に計りましょう。何度か繰り返し、平均時間を出したらそれがあなたの「標準時間」です。
スケジュールを立てるときは余裕を持たせて
「標準時間」を把握していれば今後、スケジュールを立てる際に役立ちます。そのときに気を付けたいのは、余力を残しておくこと。例えば1日のスケジュールを立てるとき、7時間勤務だからといって7時間分の仕事を入れるのはNGです。なぜなら、休みなく同じペースで働くのは不可能だし、会社では自分の作業だけに集中できないことも多いから。入れる仕事は与えられた時間の80%程度に抑え、残りの約20%は調整時間に充てるようにしましょう。
効率化に磨きをかけて、仕事をもっと速く終わらせよう!
「標準時間」にのっとって仕事を進めるときは、「必ず完成させる」という強い意志が大切です。「できるところまでやろう」「できなかったら残りは明日」といった気持ちでは、時間だけが過ぎていきがち。途中でやめると再開時に書いた部分の読み返しも必要なので、きっちり終わらせるようにしましょう。時折、パソコン画面の時計をチラッと見て、進行具合をチェックしながら作業するのがオススメです。
「標準時間」を少しずつ短くしていく
「標準時間」のうちに終わらせられるようになったら、次は3分減らす、その次は5分減らすといった形で短く設定していきましょう。よりスピードアップしていくには、数字で管理するのが一番の近道。いつの間にか、仕事がもっと速く終わるようになれるはずです。
ショートカットキー&単語登録でさらにスピードアップ!
キーボード入力の時間を短縮できるショートカットキーを、使わないのはもったいない! 作業効率がグンとアップするので、どんどん利用しましょう。とはいえ、すべて覚えるのは至難の業。かえって時間が必要になることもあるので、一通り試して自分で気に入ったものだけをリスト化し、「自分用マニュアル」などにまとめておくと便利です。リストを見ながら繰り返し使っていけば、すぐに覚えることができますよ。同様に、単語登録も必要なものだけに絞ること。登録ワードは分かりやすく、通常の文書であまりかぶらないものにしたいですね。
Ctrl+R 受信メールの画面を開いた状態で、返信メールを作成(Outlook使用時など)
Ctrl+F 受信メールの画面を開いた状態で、転送メールを作成(Outlook使用時など)
Ctrl+C コピー
Ctrl+V ペースト
Ctrl+P 印刷
Ctrl+N 新規作成(エクスプローラー使用時など)
F12 名前をつけて保存(ワードやエクセル使用時など)
◆スケジュールの詰め込み過ぎはNG
◆「標準時間」内に終わらせるのが原則
◆時間を短く設定すればスピードアップの訓練に
◆ショートカットキーや単語登録でより効率化
やる子 「なるほど、『標準時間』って大切ですね。今まではなんとなくで見積もっていたけど、次からはきっちり計ってみます! ショートカットキーと単語登録も、ちゃんとリスト化しようっと。何なら、すずまり姉さんのギャグも登録しときましょっか?」
すずまり姉さん 「あ~た、ギャグリストはムダなんじゃない? (口元へ持っていった左手をクチバシのように突き出して)それは結構コケコッコー」
やる子 「姉さんのギャグの引き出し、ホントいろいろ入ってますね……。まあ、とりあえず登録作業から始めてみます。ありがとうございました!」
すずまり姉さんにお礼を言ったやる子が作業を始め、数時間後……。
すずまり姉さん 「あら? やる子、もしかしてまだ登録作業やってんの?」
やる子 「あああ、すずまり姉さん! 何か登録ワードがよくなかったみたいっす。メールの書き出しに使う『いつもお世話になっています。日経YARUKI社のやる子です。』の一文を『いつ』で単語登録したら、別の文章で『いつ』を入力するたびに出てきて……。あまりに鬱陶しいから、全部登録を見直してるんです」
すずまり姉さん 「だから、かぶらない登録ワードにするように言ったのに。あ~た、その作業こそムダだわね……」
あきれ顔でそう言い残して自分のデスクに戻り、深くため息をつくすずまり姉さんでした。さて、次回もお役立ちのすずまりメソッドをお届けします。来週も乞うご期待!
文/石川由紀子 キャラクターイラスト/小迎裕美子 写真/PIXTA