お金が自然に貯まる「ルール」とは?

 ムダ遣いを減らすには、お金が自然と貯まる「ルール」も作ると効果的です。

 お金が貯まるルールは、お給料から自動的に天引きして貯蓄する「先取り貯蓄」を取り入れるのが何よりも効果的。銀行の自動積立預金、会社の財形制度、貯蓄型保険、投資信託の自動積立など、お給料が入ってきたら天引きでお金が振り分けられるものが有効です。

 貯蓄分は初めからなかったものとして生活をやりくりするようにすれば、お金を使いたいのをがまんしながらではなく、自然と貯まるようになります。また貯めるためにお金を引き出して分けるなどの手間もかかりません。忙しい人にはこの「自然と貯まる」しくみが向いています。

 でも、収入を自分の手に入れる前に天引きしてしまうのは、初めは抵抗があるかもしれません。そんなときは、まず月に1万円など少額から始めて、目標としては手取り月収の約2割を目指してください。

 例えば、手取り25万円の人なら、毎月5万円。これまでまったく貯蓄をしてこなかった人にはハードルが高いかもしれません。ですが、少額からでも先取り貯蓄を始めると、やがて、これくらいまでなら、生活水準を大幅に落とさなくても達成できるケースが多いです。

 私のお客様の中にも、「今思うと、どうしてあんなにムダ遣いが多かったのだろう? 先に貯めてしまっても、残りのお金で無理なく暮らせています!」という人が少なくありません。

 とはいえ「実家暮らしか、1人暮らしか? 」「家賃はどれくらいか? 」といった状況によって、無理なくできる貯蓄の割合は人それぞれです。特に、女性の1人暮らしでは、お住いの地域や環境によって、安心して暮らせるお部屋の家賃水準が高くなることもあります。そのため絶対に「貯蓄は手取りの2割でなければならない」ということではなく、無理のない割合を探っていきましょう。

 また自分のケースではどれくらい貯蓄すればよいかわからない人や、そもそも私の家計のどこが問題なのかわからない、という人は、一度近くのFPに相談してもよいのではないでしょうか。(編集部注:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会のサイトの「CFP認定者検索システム」で、所在地や相談分野からFPを検索できる

文/加藤梨里 監修/日本FP協会