頭の中で「諦めない」こと

 「知人のフランス人男性が『大事なのは、頭の中で(人生を楽しむことを)諦めないことだよ』と言っていました。日本人の女性は『もう若くないから、魅力がない』と最初から頭の中で、何かに新しく挑戦することを諦めているように思います。ぜひ、自分はまだいける、という『現役感』を持ってください。フランスではテレビ番組で50代女性が『あなたは若い女性として、どう思いますか?』とインタビューされるんですよ。日本も成熟した社会に変わっていってほしいですね」(水島さん)

(C)PIXTA
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 「生物学的なピークは年齢とともに失われますが、人間性の成長には終わりはありません。私もまだまだ新しいことに挑戦したい。皆さんも年を取ったからおばさんキャラを演じなければ、という呪縛から抜け出して、幸せに年齢を重ねてください」(水島さん)

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 今の日本では女性の「若さ」は時として「商品化」され、年を重ねるたびに、つい私たちは自分の価値が下がる気がしてしまいます。

 「研修医として働き始めた頃、『女性だけがコーヒーを入れるのは、おかしい』と主張したら、新人研修医は男女問わず、コーヒーを入れるように。飲み会でもお酌をしなかったら、いつのまにか周囲がついでくれるようになりました(笑)」そうして、いつしか「姐さんキャラ」として年下の人たちから慕われる存在になったと話す水島さん。

 そんな、男性女性問わず平等に振る舞い、凜としつつもユーモアを忘れない水島さんの話しぶりを聞いていると、今まで自分がいかに「若さにとらわれ」「頭の中で『もう若くないから、新しいことに挑戦できない』と諦めていた」かも分かりました。

 「若さ」が失われていくことは、悲しむべきことではなく、人間としての魅力が増すと考え、楽しむもの。すべての女性の皆さん、胸を張って年を重ねていきましょう。

 

左「女子の人間関係」(サンクチュアリ出版)、右「女に生まれてよかった。と心から思える本」(朝日新聞出版)
左「女子の人間関係」(サンクチュアリ出版)、右「女に生まれてよかった。と心から思える本」(朝日新聞出版)

聞き手・文/三浦香代子 イラスト/PIXTA