3月8日は国際女性デー。苦難を乗り越え、権利を勝ち取ってきた女性をたたえる日として、1975年に国連で定められた記念日です。日経ウーマンオンラインでは、特集「女性に生まれて、よかった?」として、女性である自分を好きになれるようなインタビューやイベントレポートをお届けします。今回は、IT業界の起業家の奥田浩美さんにお話を伺う、後編です。「女性である前に、私であれ」という姿勢には、強く背中を押されるはず。

 *前編はこちら⇒ 「女性の働き方が変化する時代 ワクワクして波に乗ろう」

インド国立ボンベイ大学(現州立ムンバイ大学)大学院社会福祉課程修了後、1989年に国際会議の企画運営会社に入社。1991年、ITに特化したイベントサポート事業を設立。2001年にウィズグループ、2013年にたからのやまを設立。これまでに携わったITイベントの数は300以上。数億円規模のイベントをいくつも成功に導いている。著書は「会社を辞めないという選択」(日経BP社)など。

「私のあり方」は人それぞれに違う

――女性が女性らしさを打ち出して働いても、きちんと評価される社会が喜ばしい一方で、最近「女らしく」というプレッシャーも増えた気がしますが、どうでしょう。

 「女らしい」という表現は誤解を与えやすい言葉だと思います。

 私自身の「女らしい」も、年齢とともに変わってきました。例えば、つまらない話、若い頃は、男性社会にいたので「胸元のあいた服は女らしさを強調するからよくない」と、胸を隠す服を着るようにしていました。でもここ最近、胸元のあいた服だって着ればいいやと思うようになりました。それは、「女らしい=私が私らしい」という考え方に変わったからです。

 まず先に、私がある。この私が女なんだから、私らしいことは当然、女らしいことでもある。そういうことです。

 「私のあり方」をいかに植えつけていくのか、「私」という発想をいかに持つかは、とても大事なことです。10人の人がいたら、「私のあり方」はみんな違うはずです。そんなふうに価値観が多様であるからこそ、社会は面白い。それぞれの人の「私らしい」「女らしい」「人間らしい」が数多くあるほど、いいと思います。

――女性が年を取るほど、年齢のプレッシャーを感じることをどう思いますか。

 私自身は、年齢のことは全く気にしていません。これまでも、20代には20代の、30代には30代の、40代には40代の、それぞれの面白さが全部ありました。それを振り返ると、人間ってある意味、完璧だなあと思います。年齢を重ねるほど、すべてが積み重なって面白くなっていくんですから。

 私は10代の頃が一番つらかった。やりたいことがいろいろあるのに、それを実行するための知恵もネットワークも持っていませんでしたからね。決して能力がないわけじゃないのにね。

 年を取るごとに自分の好みも見えてくるし、自分の場所を自分で選べるようになるので、だんだん楽しくなってくるんです。

 もし、「20代の若さを失うのが怖い」と思っている人がいるなら、こう言いたい。それはあなたが、20代の若さやかわいさを評価されるコミュニティーを自分で選んで、そこにとどまって戦っているからですよ、と。年齢とともに、生きる場所、仕事をする環境を自由に変えていけばいいことだし、私自身はそうしてきました。