後輩に指導できることはスキル

 後輩の立場を考えて指導していくのは、一つのスキルです。これまでの日本社会は上意下達型のあるべき論で凝り固まってきましたが、その結果、日本の生産性は世界的に低い状態になっています。相手の立場を考えたコミュニケーションに向き合うことから、この状況を変えていくのは時代の要請だと思います。

 また、相手の立場に立って必要なコミュニケーションが取れるスキルは、今後ますます加速するダイバーシティに対応できるスキル、ともいえます。さまざまな世代や立場、異なる背景を持つ人々と仕事をしていく上で大きな武器になるのは間違いありません。

後輩のモチベーションを引き出し指導できるスキルは、今後必ず役立ちます (C) PIXTA
後輩のモチベーションを引き出し指導できるスキルは、今後必ず役立ちます (C) PIXTA

 新入社員とのコミュニケーションは、そのための実験場だと思ってください。今後は年代・国籍・雇用形態が多様なチームをマネジメントするのが普通になる時代。相手に寄り添ったコミュニケーションが取れれば、5年先、10年先のキャリアの幅がきっと広がりますよ。

聞き手・文/飯田樹 写真/PIXTA

<この人に聞きました>
沢渡あまね
沢渡あまね(さわたり・あまね)さん
業務改善・オフィスコミュニケーション改善士・あまねキャリア工房代表。企業の業務プロセスやインターナルコミュニケーション改善の講演・コンサルティング・執筆活動などを行う。さまざまな企業で「働き方見直しプロジェクト」「社内コミュニケーション活性化プロジェクト」などのファシリテーター・アドバイザーを務めている。著書に「仕事の問題地図」(技術評論社)、「働く人改革」(インプレス)他多数。