現役営業女子は、どのように仕事をして、どんな成果を上げているのでしょうか。今回は、経理から営業に転身したS・Aさんに、転職した理由や仕事のやりがいなどについて伺いました。外回り営業とは一味違う、「内勤営業」というスタイルにも注目です。

S・Aさん(29歳)既婚、子どもなし
【仕事内容】医療系メーカー勤務。体外診断薬の輸出に関する内勤営業を担当。主な業務は、海外の既存取引先からの受注処理やスケジュール調整、予算達成に向けた注文交渉、予算管理、製品の問い合わせ対応など。普段の業務は英語でのメール対応が多く、国内外の学会への参加や、年4回の海外出張打ち合わせ、海外の展示会ブース対応などもこなす。
【手取り月収】約23万円
【手取り年収】約400万円
【仕事満足度】80点

未経験専用の派遣制度を利用して内勤営業へ

――以前は経理をしていたと伺いました。なぜ営業に転職したのでしょうか。

 「経理を5年経験しましたが、『将来も働き続けられる武器が欲しい』と思って、2年前に転職をしました。当時はAIが話題になってきた頃で、『この先多くの事務職がAIに取って代わられる』と聞いて、不安になったんです。そのため、『手に職をつけなければ!』と思って一念発起。関わっていたプロジェクトに区切りがついた段階で、退職を決意しました。ただ、未経験で新しい業種に転職することは難しかったので、未経験専用の派遣制度を利用して、現在の内勤営業に挑戦。1年前に社員登用となりました。

未経験だったので派遣から始めて、1年前に正社員になりました 画像はイメージ (C)PIXTA
未経験だったので派遣から始めて、1年前に正社員になりました 画像はイメージ (C)PIXTA

 営業職は、会社の利益率などを理解しつつも、顧客と直接対話ができる仕事です。会社のことを一番理解した業務を行える職種だと思っているので、毎日の仕事自体にもやりがいを感じられ、わくわくしますね」

――経理と営業とでは、必要な能力に違いがあるように思います。営業に挑戦される中で、どのような点が違うと感じましたか?

 「経理は、決まったスケジュールの中で決まった資料を作成し、正確に数字を組み立てる能力が必要です。一方 営業は、予測不可能な事態に対しても『柔軟に対応する力』が求められる。一番の違いは、この『臨機応変に対応する力』だと思います。

 今の営業の仕事は、お客様からの要望に対するフォロー業務がメインなので、決まった仕事だけを淡々とこなしているわけにはいきません。いろいろなところから業務が舞い込み、思いもよらないところからトラブルが発生したりするので、緊急の対応が必要な場合もあります。そんなときには、売上管理などのルーティンワークが後回しになってしまうため、タスク管理が必須。とにかく業務を忘れないように、やるべきことをOutlookの予定表に入れて、アラートが出るようにしています」

スケジュール

【S・Aさんの1日の平均的なスケジュール】
09:00 出社、メールチェック、予定表確認
11:00 受注処理
12:00 昼食
13:00 書類整理
14:00 メール対応(受注の返信・問い合わせ・交渉など)
16:00 社内管理(営業実績まとめ)
17:00 日報作成、明日のToDoチェック
18:00 退社