不動産会社を訪問し、物件を内見するときには、どんなところを見ればいいのでしょうか。そして家賃の値下げ交渉をしたいと思ったときに、注意すべきポイントとは? 心地よい暮らしができる住まいの見分け方を、ハウスメイトパートナーズの谷尚子さんにお聞きしました。

特集「仕事がはかどる部屋探し」目次
・プロに聞いた物件探し 広い部屋を見逃さない検索テク
・ネット時代の物件探し「とっておき物件」は存在する?
・物件探し 内見時のチェックポイント&家賃交渉のコツ(この記事)
・敷金は戻ってくる? 新居の契約書、どこを確認すべき 3月23日公開予定

内見時には「駐輪場」「ゴミ置き場」「共用廊下」をチェック

内見時に見るべきなのは、入居者マナーが表れる共用部分です (C)PIXTA
内見時に見るべきなのは、入居者マナーが表れる共用部分です (C)PIXTA

 気に入った物件が見つかったら、不動産会社に問い合わせをして、いよいよ内見へ。物件の情報はある程度ネットで集められますが、最終的に契約を交わす前には、やはり自分の目で見て確かめることも大切です。そこでハウスメイトパートナーズの谷尚子さんに、内見時のポイントについて伺うと、「部屋の広さや設備などを見ることも大事ですが、それ以外にも見ておいたほうがいい場所があります」と、教えてくれました。

 「駐輪場やゴミ置き場、共用廊下などは、ネットの物件写真には掲載されていないことが多い場所です。行かないと見られないケースがほとんどなので、内見に行ったときにはぜひチェックをしてみてください。見るべきポイントは、その場所がきれいに使われているかどうか。共用部分が清潔で整った状態であれば、そこに住む人たちのマナーも良く、管理も行き届いている可能性が高いので、入居後も安心して暮らせる傾向があります」

 荒れた駐輪場の場合、自転車の出し入れがしづいらいだけでなく、それがもとで入居者同士のトラブルにつながることも。またゴミ置き場にゴミが散乱していれば、そこで暮らす人のマナーや管理体制にも不安が募ります。

 「その他にも、共用廊下に住民の私物が置かれていないかは、チェックしたほうがいいですね。もしも火災や災害などが起きた場合、これらの私物が倒れたりすると、つまずいてケガをしたり、逃げ遅れたりする原因にもなります。共用部への私物の放置は、実はとても危険なことなので、万が一に備えて見ておくと安心です」

 押さえておくべきポイントは、まだまだあります。

 「不動産会社の車で内見に行った場合、帰り道は駅まで歩いてみるのもオススメです。駅までの徒歩分数は、80m=1分で計算していますが、これには坂道や信号待ちなどの時間は考慮されていません。自分の歩幅で、どれくらいの時間がかかるのか。それを知るためにも、実際に歩いてみるといいですよ」

 歩いてみると、周辺環境を自分の目で確かめることができます。スーパーやクリーニング店など、自分の生活に必要なものが、徒歩圏内にあるのかどうか。街の雰囲気はどんな感じで、交通量や人通りはどれくらいなのか。体感することで分かることもあると、谷さんは言います。

 「大事なのは、自分の生活サイクルを想像しながら歩いてみること。例えば、仕事帰りに毎日スーパーに寄って自炊をする人なら、駅から自宅までの間にスーパーがあることは重要なポイントです。しかし、休みの日にまとめ買いをする人や、ネットスーパーを利用する人なら、そこまで重要ではなくなってきます」

 一般的に便利とされているものではなく、「自分の生活に必要なもの」を見極める。これが、後悔しない物件選びのコツと言えます。女性の場合は治安を確認することも大切なので、駅から家までの安全性や街灯の数、夜間の人通りなども、事前に見ておくのがいいですね。