ヨーロッパでも晩婚化が進行

 Worldatlasの「ヨーロッパの初婚年齢」によると、東ヨーロッパの国々では、女性は22歳~26歳、男性は24歳~27歳と比較的年齢若く結婚する傾向があるようです。一方で、チェコやハンガリー、そしてドイツやベルギーなどでは女性は27歳過ぎ、男性は30歳前後の結婚が平均的となっています。

 特に晩婚化の傾向にあるのは、スウェーデンの男性35.8歳、女性33.3歳。結婚が早いトルコは男性27.4歳、女性24.3歳となっていますが、ヨーロッパ全体では晩婚化が顕著です。一方で、アフリカやブラジル、インドなど暑い地域では20代前半が主流となっていました。

ヨーロッパの国別初婚の平均年齢ランキング抜粋
ヨーロッパの国別初婚の平均年齢ランキング抜粋
Worldatlas

 ただ、以前「4人に1人が独身時代、日本と海外の結婚観の違いとは」で紹介したように、ヨーロッパ諸国には、結婚に近い同棲婚のような制度があります。晩婚化の理由として「既に一緒に生活しているのに、わざわざ結婚をする必要はない」といった考えも大きいわけです。

 Worldatlasによると他にも日本と同様に、自分のキャリアにブレーキがかかるのを避けたい、結婚にメリットを感じられないなどの声もみられます。さらに、ヨーロッパの女性は結婚前にしばらく一人で生活をしてみるのを好むことも、晩婚化の大きな要因とされていました。それでもやっぱり結婚した要因としては「周りが結婚したのに……」という仲間からのプレッシャーを感じているのは、国を問わずどこでも同じかもしれないですね。

結婚観は人それぞれ (C)PIXTA
結婚観は人それぞれ (C)PIXTA

 日本でも、初婚同士の結婚では女性の平均年齢が30歳に満たないものの、全体としてはもう30歳は超えています。29歳で漠然と感じた不安やあせりも、30歳を過ぎると吹っ切れるのもまた事実。晩婚化や非婚化が進んでいく中で、結婚を選択するかどうかは自分の意思次第です。

 最初の結婚に失敗しても、年上でも、「世界一結婚したい独身男性」と幸せな再婚を果たしたメーガン妃。30歳を過ぎても、再婚でも、いい人が見つかりそう……と、結婚や晩婚に対する期待値を上げてくれた大人婚だったかもしれません。

文/上野陽子 写真/PIXTA

【参考資料】
Worldatlas, The Nations Of Europe By The Average Age At First Marriage
出生や家族関係支出に関する国際比較. 資料:平成27年版少子化社会対策白書.1
厚生労働省 平成28年度 人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況