PTAを抜けるデメリットは?

 いろんな問題をはらむPTAですが、組織すべてを廃止することで被るデメリットは何でしょうか。

 それは、「行政に物を言えなくなること」だそうです。「mamatenna」というサイトに、2008年にPTAを廃止した杉並区立の中学校校長のお話が掲載されていました。それによると、

 「東京都中学校PTA協議会のような連合会は、行政に物申せる力を持っています。その組織から抜けるということは、行政に意見を述べるチャンスを手放すことと同じです」――としていました。

 つまり、暑いから冷房を入れてほしい、教育のための機器を導入すべき……といった意見をする場を失うということ。それだけではなく、保護者のサポートがなくなることで先生たちが忙しくなり、教育の質が低下する……など、さまざまな問題が持ち上がります。

PTAがなければ、行政に意見を述べる機会を失うことになる (C)PIXTA
PTAがなければ、行政に意見を述べる機会を失うことになる (C)PIXTA

 手放しで「PTA廃止!」を声高に叫べばいいわけではなさそう。ですが、今の体制のままではあまりに理不尽。PTOとPTAの折衷案や、アメリカのママ役員が提案した寄付金案など、意見を出し合って、改善されるべきだというのが多数意見でしょう。一人のPTA役員として、私も切に願います。

文/上野陽子 写真/PIXTA