モノを減らしたいと思っていても、いざとなると罪悪感でなかなか捨てられないもの。スッキリ手放すための判断基準と、捨てどきや収納方法を専門家に聞きました。

判断基準は自分の価値

 モノを減らしたいのに、「もったいない」「高かったから」「もらいものだから」となかなか捨てられない…。そんな人に、片づけアドバイザーの石阪京子さんは、「そのモノが、自分の価値を上げてくれるかどうかで判断しましょう」とアドバイス。

 「例えば流行遅れだったり毛玉が付いていたりする服は、あなたの見た目を上げてくれません。これらは『自分の価値を下げてしまうもの』ですから、思い切って捨ててしまいましょう」。

 反対に、着ていて気分が上がる服や、読むたびに感動を得られる本は「自分の価値を高めてくれるもの」。大切に保管しよう。

捨て方の基本的な流れ

片づけたい場所を決めたら、まずは全部のモノを収納場所から出す。一つ一つのモノに対して、「自分の価値を上げてくれるかどうか」を判断。価値を下げるモノは手放すか、リサイクルショップへ。価値を高めてくれるモノなら大事に保管しよう。

「自分の価値を上げてくれるかどうか」で判断しよう
「自分の価値を上げてくれるかどうか」で判断しよう

・価値を下げてしまうもの→捨てる
例)毛玉のついたセーター、チェーンが黒ずんだネックレス

・価値を上げてくれないがきれいなもの→リサイクルに出す
例)流行遅れのブランドバッグ、ほとんど使っていない食器

・価値を上げてくれる→収納する
例)人生の道しるべになる本、仕事で活躍するジャケット

片づけはスキルアップ

 「気に入ったものだけに囲まれて過ごすことで、日々の満足度が上がり、堂々と振る舞えるようになる。外見もきれいになる人が多いんです」と、石阪さん。

 捨てる作業を始める際は、表に見えている場所よりも、クローゼットや押し入れといった「バックヤード」から着手するとスムーズに進む。「奥にしまってあるモノのほとんどは、普段使っていない。だから、要・不要の判断もしやすいんです。もし奥に価値のあるものが眠っていたら、表に出して大事に使ってあげましょう」。

 ただし置き場所には限りがあるので、「服を多く取っておくなら、本や雑貨は減らす」など、残すものに優先順位を付けることも必要だ。

 自分にとって残すべきものは何かを考えることで、「自分が何を大切にしているのか」「どうなりたいのか」が見えてくる。外でおしゃれをしてバリバリ働いていても、実は家に帰ると部屋がグチャグチャ…。そんな状態では、どこか後ろめたい気持ちが付きまとうもの。

 「部屋をきれいに保つことで、後ろめたさがなくなり、内面から自信が生まれます。片づけは、“お金のかからないスキルアップ”。資格を取るのと同じように、片づけができるようになれば、きっと一回り成長した自分になれるはずです」。