フレンドリーな態度で近づいてくる“一見いい人”。しかし、気づかずに付き合っていると、いつの間にか窮地に立たされるかも…。そんな“隠れ攻撃タイプ”への対処法は?

彼らは悪意を隠して近づいてくる

 他愛もない会話をしているだけなのに、気持ちがモヤモヤして疲れてしまったり、知らない間に自分の評判が落ちていたり。そんな経験がある人もいるのではないだろうか。「その原因は、“気づかれないように攻撃してくる人たち”にあるかもしれません」と片田さん。

 彼らは悪意を隠して近づいてくるため、なかなか見抜くことができない。例えばこんなケース。「困ったことがあればなんでも相談して」と言う同僚に心を許し、上司と反りが合わずにつらいとグチをこぼしていたAさん。共感してくれる同僚をいい人だと思っていたが、実は上司に、尾ひれを付けて“告げ口”! 知らない間に、Aさんに対する上司の評価はガタ落ちし、気づいたときには重要なプロジェクトから外され、代わりに彼女が抜擢(ばってき)されていた──。

 「怖いのは、あなたに対しては『あなたのためを思って』、上司には『部署のためにあえて』など、一見、正当化されていること。そのため、最悪の状況になるまで誰も気づかない。攻撃性を巧妙に隠す名人なのです」と、警告する。

 こうした、分かりにくい攻撃から自分を守るには、早い段階で見極めて対策を取るしかない! ここでは、典型的なパターンと対策を学んでいこう。

陰口で他人を陥れる人

いい相談相手のフリをしながら、心のなかで「いいネタ仕入れた!」とニンマリ。聞いた話を大げさに話すのもこのタイプの特徴だ。「上司に指摘を受けてへこんでいる」という話を、当の上司に「痛烈に批判していた」などと“盛って”伝え、人間関係が壊れるのを楽しむ。他人の評価を下げ自分の価値を上げる、“他人サゲ自分アゲ”もする。

聞いた話を大げさに話すタイプ
聞いた話を大げさに話すタイプ
やんわり相手を牽制(けんせい)してみよう

「自分の陰口を広められているかはなかなか分かりませんが、このタイプは、必ず別の人の陰口をあなたに言います」。その際に、「そうやって、私のこともほかで言ってないよね?」など、冗談っぽく牽制。噂話が好きな人には、自分のことを話さないのも重要だ。“この人は陰口に敏感”と認識させることで、巻き込まれることを防いで。相づちを打つだけで、あなたが“言っていた”と触れ回ることもあるので、噂話には相づちも禁止! 噂話に対して「それは根拠がある話ですか?」と言ってみるのも効果的。


忘れたフリなどで嫌がらせをする人

害のない人と思われているが、実は、ネチネチとした“イケズ”な攻撃を仕掛けてくる陰湿なタイプ。打ち合わせの約束をしておきながら忘れたふりをして別の用事を入れたり、提出された書類をわざと何日間も放置して進行を遅らせたり…。仕事ができないタイプを演出しているが、実際には部下の足を故意に引っ張っている。

ただ仕事ができないだけの上司
ただ仕事ができないだけの上司
情報をクローズドにしないようにしよう

根底にあるのは、自分のポジションを脅かされるのではないかという恐怖と不安。そのため、特にできる部下をターゲットにする。これは嫌がらせ? というケースには、“公にする”ことで対処。「打ち合わせには別のメンバーも同席させるなど、情報をクローズドにしないことで、後から“言った、言わない”になることを防ぎます」。予定やタスクの確認などは、メモを取りつつ、大きな声で確認することで、さりげなく部署内に共有。さらに、チームメンバーのCC入りメールでリマインドするなど、“証拠”を文書で残しておこう。「明日までにお願いしたい案件なので、リマインドメールさせていただきますね」などと言うのも手。