「相続」や「贈与」と聞いて、「私には関係ない」などと思っていませんか? 実は15年から制度が変わり、働く女性にとっても他人事ではなくなる可能性が! 親が元気なうちから知っておきたい、お得な「生前贈与」について教えます。

15年の税制改正で相続税の対象者が拡大!

 「相続といっても、両親はまだ元気だし…」。そんなふうに思っている人は多いけれど、「働く女性も今のうちから相続について考えておいたほうがいい」とアドバイスするのは、公認会計士で税理士の梅田泰宏さん。

 「15年から相続税の基礎控除額が減り、“庶民”にも相続税がかかる時代となりました。資産が自宅だけというケースでは、住み慣れた家を売却せざるを得なくなることも考えられます」

 祖父母や親から財産をもらう際、生前なら“生前贈与”、死後なら“相続”という扱いになる。「贈与税と相続税では、一般的に相続税のほうが税の負担は軽いですが、贈与の仕方によっては税の負担を軽減することもできます」。以下ではその具体的な方法を紹介。親のお金を住宅購入や結婚といった身近な形で生かすことにより、贈与分が非課税になる方法もあるのでチェックしておこう。

 相続のことは、親が元気なうちに話しておきたい。「早い段階から計画的に考えることで、お得に節税できますよ」

 

「相続&贈与」の基本をチェック!

「生前贈与」ってナニ?

相手が「あげますよ」、受け取る人が「いただきます」と意思表示をした上で、生きているときに財産を贈り与えること。基本的に、その年の1月1日から12月31日までの1年間で、受け取る人1人につき贈与金額が110万円を超えると、超えた分に対して贈与税がかかる。


「相続税」ってナニ?

亡くなった人が持っていた財産(遺産)を親族などが相続する際、一定の金額(基礎控除額)を超えた分に対してかかる税金のこと。15年1月から相続税法が下のように変わり、相続税の対象者がグンと増えた。もはや他人事ではなくなっている!