あなたはご飯派? パン派? どちらも主食となる炭水化物食品ですが、パンとご飯で成分は大きく違います。さらにパンでもご飯でも、製品や種類によって素材や繊維量によって太りやすさに差があります。元ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルさんのアドバイスをもとに、正しい主食を考えました。選び方に気をつけて、キレイ度アップを目指しましょう!

白いパンはお砂糖並み。なるべく控えてご飯や食物繊維の多い主食を選んで

 「主食」は食事の基本中の基本。でも、同じ主食となるご飯とパンでも体への影響は異なるし、同じご飯やパンでもその選び方によって、太りにくくなったり、逆に太りやすくなったりする危険性があるという。

 ではどんなご飯やパンを選べばいいの? 多数のダイエット本の著者でもあるエリカ・アンギャルさんに聞いてみた。

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(C)PIXTA
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 日本の女性たちに食生活の話を聞くと朝は「いつもパンとコーヒー」という人が少なくありません。食パンではなく甘い菓子パンなどを食べる女性も多いのですが、どちらもお薦めできません。なぜなら、それは太りやすいうえ、肌にも良くない食事だからです。

 小麦は精製したものはもちろん、たとえ全粒粉であっても、食後の血糖値を急上昇させるという最新の研究があります。

 血糖値が上がると、体はインスリンというホルモンを出して血糖値を下げようとしますが、インスリンは体に脂肪をためこむ働きがあるのです。それに血糖値が高い状態は、肌のたるみの原因にもなります。

 同じパンの中でも、ライ麦パンのように、未精製で食物繊維をたっぷり含む食材なら、血糖値の急上昇は抑えられます。

 また最近の研究で、小麦のたんぱく質の一種のグルテンは、摂取後に細かい分子となって脳に入り、気分を高揚させるため、例えば毎朝、小麦を食べると、お昼にもサンドイッチやパスタが食べたくなるといった一種の“くせになる状態”を起こすことがわかってきました。逆に食べないと気分がふさいだり、だるくなったりとまるで“禁断症状”のようなことも。さらに米国でいま注目されるのは、パンなどを食べて起こるグルテン過敏症。アレルギーほど重くないけれど、イライラしたり集中できないなどの状態に。

 パンの中にはショートニングやマーガリンなど、メタボだけでなく、不妊などとの関連も示唆される“避けたい”油、トランス脂肪酸が入った製品も多いのです。成分表示をきちんと読みましょう。材料は多い順に書いてあります。白い小麦の炭水化物も糖質ですが、砂糖や果糖ブドウ糖液糖のような糖質も意外と多く含まれています。

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 お薦めしたいのは主食にご飯を選ぶこと。するとおかずに野菜や大豆、魚を食べたり、自然に栄養素がとれる食事になっていきます。でも、パンだとバターやジャムなど油や砂糖を一緒にとってしまい、カロリーは多いけれど栄養がない、太りやすい食事になってしまいます。

 ご飯は、玄米が理想です。玄米の状態だと食物繊維も多く、ビタミンB1などの栄養素、胚芽部分に抗酸化作用のある脂肪分も含んでいます。けれど精製の仕方でお米の状態も変わり、胚芽米になると、外皮がなくなり、白米になると胚芽もなくなります。ただし、農薬の悪影響を避けるためにも、ほかの食材同様、玄米もぜひ有機栽培のものを選んでください。

 白米を炊くときにも、雑穀を混ぜたり、麦を混ぜることで、食物繊維量を増やせます。炊き込みご飯もお薦めです。豆や野菜を一緒にとることで、栄養価や繊維量も増やします。栄養素を含み、体にゆっくり取り込まれる繊維分の多い主食を選んでキレイな体を作ってください。

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 エリカさんのアドバイスをもとに、次ページから、実際に、ご飯とパンでダイエットする方法を紹介しよう。