前回の記事「脂肪を燃焼 憧れのやせ体質に近づく6大食品」では、運動をしなくても食べるだけで代謝を高めて、エネルギー消費を増やす食品があることをお伝えしました。今回は、食べるだけでリラックス効果が高まり、集中力を高める食品をご紹介します。

 リラックスする食品といえば、まず思い浮かぶのは香り高いハーブティーだろう。香りは神経を介して食欲、睡眠欲など本能に関わる大脳辺縁系に作用し、食べたものの印象を左右するなど、食事においては重要な要素のひとつといえる。

 ハーブの香りがすべてリラックス効果を与えるわけではないが、下のグラフに示すように、カモミールやジャスミン、ラベンダーの香りは、副交感神経の働きを高め、リラックス効果をもたらすことがわかっている。

 食べることによりリラックス効果をもたらすのは、GABA(ガンマアミノ酪酸)やお茶に含まれるうまみ成分のテアニンなど。GABAは、トマトや発酵食品などに多く含まれるアミノ酸の一種で、GABA受容体に作用することで、副交感神経活動が活発になるという研究がある。

 横越教授による実験では、高所恐怖症の8人に日本有数の長さの吊り橋を渡ってもらい、その後唾液を採取。唾液中のストレスマーカーの分泌量を測定したところ、事前にGABAを摂取しなかった人のストレスマーカーは渡る前より増えていたが、GABAを摂取した人は逆に減っていたという。

 「ストレスを低下させることで、睡眠の質も良くなると考えられる」と中部大学応用生物学部の横越英彦教授。

リラックス効果が集中力を高める場合も

 GABAには、集中力を高めるという効果もある。

 「一見相反するようだが、例えば極度に緊張すると本来の力を発揮できないように、集中力というのはリラックスした状態で最も発揮される」(横越教授)。緑茶に含まれるテアニンにも同様の作用があるという。

 また、「血液中にGABAが増えると成長ホルモンの分泌が促進される。成長ホルモンは脳に入り、たんぱく質の合成を促進するため、GABA摂取で脳の機能が良くなることも期待できる」(横越教授)。