前回「女性ホルモンを底上げする大豆製品×おから鍋レシピ」では、大豆イソフラボンとおから鍋の相乗効果をお伝えしました。今回は、ヤマイモや大豆製品のほかに、おから鍋と掛け合わせるとよい食材をお伝えします! 今冬はいろんな鍋料理を楽しみましょう。

腸内環境を整えることで腸から“やせホルモン”を出す【水溶性食物繊維×おから鍋】

 腸内細菌が、食物繊維を分解して作る“短鎖脂肪酸”。その材料となるのは、野菜や昆布やワカメなど海藻類に豊富な水溶性食物繊維。繊維たっぷり鍋で、腸も調子づく!

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 ホルモンの定義には当てはまらないが、ホルモンのように働くため、注目を集めている成分がある。その一つが、腸内細菌が産生する、短鎖脂肪酸だ。

 大腸の腸内細菌群は、水溶性食物繊維をエサとし、短鎖脂肪酸を産生する。東京農工大学大学院の木村郁夫特任准教授は「腸内で産生された短鎖脂肪酸の酢酸が血中に出て、全身のエネルギー代謝を上げることが分かった」と話す。新たに見つかった“やせホルモン”ともいえる短鎖脂肪酸の量を増やすには、水溶性食物繊維の量を多くとるといい。

水溶性食物繊維が豊富な食材

ワカメ
アルギン酸などの水溶性食物繊維を豊富に含む。

ゴボウ
イヌリンなどの水溶性食物繊維を100g中2.3g含んでいる。

タマネギ
ペクチン、イヌリンなどの水溶性食物繊維を100g中0.6g含む。

新機能で話題! 腸内細菌で産生される短鎖脂肪酸が脂肪蓄積を抑制

大腸の腸内細菌叢が産生した短鎖脂肪酸は、腸から吸収されて血中へと移動し、交感神経を介してエネルギー消費を促進するという。また、「腸で産生された短鎖脂肪酸が脳にも届き、認知症などと関連するのでは、と注目されている」(木村特任准教授)。