前回、「女性の不調対策にもなるオリーブオイル活用術」では、オリーブオイルそのものの効果と、ショウガ、ローズマリー、ニンニク……この三つの食材をそれぞれオリーブオイルに漬け込むことで得られる効果を簡単に紹介しましたが、今回はさらにどのような効能があるかを詳しくお伝えします!

 長瀬産業の商品開発課でローズマリー関連の製品を多く手掛ける北島智恵子さんは、「欧州では古くからオリーブオイルにハーブや香辛料を漬け込む習慣があった」と説明する。風味を加えるための習慣のようだが、オリーブオイルに漬け込むことで、実は素材の有効成分を効果的に取り入れることができる。

 ニンニクは、におい成分のアリシンが、一定条件下でオイルに溶け出すことにより、アホエンという成分が生成される。ニンニクオイルを治療に取り入れる都立駒込病院脳外科部長の篠浦伸禎医師は、「初期治療にニンニクオイルを導入すると、脳腫瘍患者の治療の副作用を軽減し、術後の再発が起こりにくくなるという実感がある」と話す。

 ショウガオイルにもショウガの有効成分が溶出する。食品医学研究所所長の平柳要さんは「ショウガオール、ジンゲロールが、ポリフェノール類の豊富なオリーブオイルに溶け出し、より強い抗酸化作用が期待できる」という。

 またローズマリーは大量に食べづらい食材だが、オイルに漬け込めば有効成分を簡単に取り入れられる。「美白作用や肌の酵素活性を高めるカルノシン酸が溶け出し、体の中から美肌に働きかける」(北島さん)のだ。