前回「コラーゲンとプロテイン 大切なのはとるタイミング」では、プロテインは朝、コラーゲンを夜に摂取するとよい理由を簡単にお伝えしました。今回は、朝プロテインをとることでどのように筋肉にアプローチできるか詳しくご紹介しましょう。

朝食でもプロテインをとるよう心がけよう (C) PIXTA
朝食でもプロテインをとるよう心がけよう (C) PIXTA

 食事でとったプロテインは、消化によりアミノ酸や、アミノ酸がつながったペプチドの形で吸収され、筋たんぱくの合成・分解をコントロールするほか、運動時に筋肉のエネルギー源にもなる。

 なかでも重要とされるのがバリン、ロイシン、イソロイシンの3つの分岐鎖アミノ酸(BCAA)。「特にロイシンが筋肉合成のスイッチを入れる重要な役割を担うことがわかってきた」と立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授は説明する。

 アミノ酸の機能性に詳しい東京大学大学院前教授の大谷勝さんは、「BCAAは、筋肉の中でも骨格筋や表情筋などの横紋筋に多く含まれており、BCAAの不足は体や顔のたるみに直結する。体や顔のたるみ対策としてBCAAは欠かせない」という。

 筋肉量を維持することは、基礎代謝の低下を防ぐ意味でも重要だ。「筋肉を維持するためには多くのエネルギーを使う。絶えず合成と分解を繰り返す筋たんぱくの代謝に使うエネルギーは、特に脂肪から使われるため、筋肉が多ければ多いほど脂肪がどんどん使われる。筋肉量を増やせば、たるみ対策になるのはもちろん、ダイエット効果も期待できる」と藤田教授。

 大谷さんの研究でも、ロイシンなどのアミノ酸をとることで腹囲と体脂肪が減った(次ページのグラフ)ほか、メタボ予防、免疫力アップなど多くの効果が明らかになっているという。

 アミノ酸は、筋肉以外にも血液、皮膚や髪、細胞やホルモンなどの材料になる。

 「活動量が上がる朝や昼にアミノ酸をとると、疲労感が少なく集中力を維持できる。また、運動後に壊れた筋肉の修復も早くなる」と大谷さん。

 日本の食生活では朝食は軽く、夕食をたっぷりとることが多いが、1食17~20g、1日50~60g程度を目安に、朝食でもプロテインをとるよう心がけよう。