便秘気味、太りやすくなってきた、肌荒れがひどい――。アーユルヴェーダではそんな不調の原因が「消化力の低下」にあると考えます。一番の解決策は、食事の前の「塩レモンショウガ」。 ショウガをうまく活用して、やせやすい体を作りましょう!

 ヨガとかかわりが深いインド由来の伝統医学、アーユルヴェーダ。その教えの中で、食べ物は体や心の健康に大きな影響を与える重要な要素と考えられている。

 「アーユルヴェーダでは、どんな食べ物も、食べ方次第で薬になるとし、自分の体調や体質にどう影響するか考えて食べる」とアーユルヴェーダサロン「アーシャ」主宰のセラピスト、北井一美さんは説明する。

 ただし、食べ過ぎで胃腸が弱ったり、偏った食事を続けていると、消化力が低下し、“未消化物”が体内に蓄積するという。北井さんは、「この“未消化物”の蓄積が体の流れを滞らせて、体がだるくなったり、便秘や肌荒れといった不調、脂肪の蓄積による肥満、うつ傾向の原因になるとアーユルヴェーダでは考える」と話す。

食前の塩レモンショウガは最強の消化促進剤

 消化力を高めるには、アーユルヴェーダでは胃腸を温める「白湯」を飲んだり、オイルマッサージがいいとされる。「なかでも一番のお薦めは、食事の前の生ショウガ」(北井さん)。

アーユルヴェーダで、ショウガの辛味は、消化の火をメラメラ燃やして代謝を上げ、肌荒れや便秘、肥満などの原因となる体の“滞り”を改善する食べ物と考えられている。空腹時にとるほうがその効果は高いとされる
アーユルヴェーダで、ショウガの辛味は、消化の火をメラメラ燃やして代謝を上げ、肌荒れや便秘、肥満などの原因となる体の“滞り”を改善する食べ物と考えられている。空腹時にとるほうがその効果は高いとされる

 ショウガは、アーユルヴェーダで味を構成する「6味」のうち辛味に分類され、“消化の火”を煽って大きくすると考えられている。その作用は、空腹時にとればより強力なものになるという。

 「塩を少々振りかけて、レモンを搾った生ショウガのスライスを食前にとるのは、アーユルヴェーダで定番の消化促進剤」と北井さん。

 この「食前の塩レモンショウガ」を続けると、消化力が高まる。その結果、代謝が良くなり、便通が改善したり、やせやすい体にもなるという。

 「実際に、食前の塩レモンショウガを始めて、あっという間に3kg体重が減ったという人もいる」と北井さんはいう。

 夏至前後のじめじめした時期は、「1年で最も消化力が低下し、不調が出やすくなる」(北井さん)。ショウガで消化力を高めて、体に余分なものをため込まないよう心がけよう。

アーユルヴェーダでは6つの味が心と体を健康に保つと考える
アーユルヴェーダでは6つの味が心と体を健康に保つと考える
アーユルヴェーダでは、上の6つの味が心や体に影響するとし、味に偏りがあると、食べ過ぎや消化力の低下につながると考える