「なに」を「どのくらい」食べればいいの?—ダイエットでは、食事の「内容」と「量」に気をとられがち。しかし、最近明らかになってきたのは、食事の「時間」と「順序」の重要性。「いつ」「どう」食べるかも大切です!

野菜を先にゆっくり食べるのがカギ (C) PIXTA
野菜を先にゆっくり食べるのがカギ (C) PIXTA

 「ベジタブルファーストこそ、太らないために最も重要な食べ方」というのは、愛媛大学医学部の伊賀瀬道也特任教授と、ダイエット支援サイト「あすけん」の管理栄養士・道江美貴子さん。野菜から先に食べ、最後にご飯やパンなどの炭水化物を食べることで、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする“太りにくい”食べ方だ。

 最近は、野菜ではなく、肉や魚を先に食べても血糖値が上がりにくくなったという研究もあるが、「野菜の量を減らさないために、野菜が先、と意識することが大切」(伊賀瀬特任教授)。

 この食べる順序に代表されるように、「いつ」「どう」食べるかが、ダイエットに関わると注目されている。例えば、セカンドミール効果。「水溶性食物繊維のβ-グルカンを含む大麦やキノコ、大豆には、その食事だけにとどまらず、次の食事の血糖値上昇を抑える効果が期待できる」と静岡大学農学部の森田達也教授。このメカニズムから、会食などの前の食事で、工夫する、というのも手だろう。

 また、食事をとる「時間」もカギだ。国立病院機構京都医療センターの津崎こころ研究員は、「日本人の摂取エネルギー量が減っても、肥満が減っていないのは、夕食を食べる時間の遅さが一因。夕食が遅い人には、夕方におにぎりを、帰宅後に春雨ヌードル、または野菜とヨーグルトを薦めている」という。

 食事にかける「時間」も大切だ。「最新の研究で、食事自体をゆっくりかんで食べることこそが、食後のエネルギー消費を上げるとわかった」と東京工業大学の林直亨教授はいう。